経営にダメージをもたらす失言をどう回避するか(写真:写真AC)

失言は経営に大きなダメージをもたらすことがあり、回避すべき重要テーマです。最近では、大手外食チェーン吉野家幹部の「生娘シャブ漬け」発言が批判を浴び、本人は解任されました。この事例から失言回避の方法を考えます。

失言が企業経営に影響を与える

誰もが抱えている失言のリスク(写真:写真AC)

失言とは、言ってはいけないことをついうっかりと言ってしまうことで、誰もが抱えているリスクといえます。最近私がついうっかりと言ってしまった言葉は「おっさん」。通常は「おじ様」「おじ様方」「シニア」と言っているのが、注意を受けました。

とある企業の広報担当者と2人だけの会話の時でした。親しみを込めて「おっさん」と発言したのですが、彼女から「石川さん、失言です!」と手厳しいチェックを受けました。「おっさん」という言葉そのものは、絶対に悪いわけではないのですが、私が発言することで「石川慶子」のイメージを損なうのは確かです。

ただ、この程度の失言であれば、「失礼しました」で許される範疇でしょう。しかも2人だけの会話で、多数の前ではありませんでしたし。

では、解任の事態にまで発展した吉野家幹部の発言はどうでしょうか。牛丼を主力とする大手外食チェーンの吉野家は「生娘をシャブ漬け戦略」と発言した常務取締役伊東正明氏を4月18日に解任しました。

早稲田大学の社会人向け講座の中で、吉野家の若い女性へのマーケティング戦略を説明する中で発せられました。この失言で株価は急落、新商品発表会も中止され、企業経営に大きな影響を与える事態となりました。経営幹部の失言は予防できるのか、マネジメントの視点から考えてみましょう。