ユーザー情報のメンテが簡単堅牢性・低コストも魅力

オンラインゲーム、家庭用ゲームソフトの企画・開発・制作・販売から、音楽・映像コンテンツ、劇場演芸まで幅広い事業展開を行っている株式会社マーベラス(東京都品川区)。東日本大震災を契機に、安否確認システムの必要性を認識。会社統合などで企業規模が急拡大する中、安否確認システムを導入する際に重視した基準は、堅牢性、はもちろんだが、コスト中でもユーザー情報メンテナンスのしやすさだったという。

東日本大震災の際には、予期せぬパニック状態に、うまく従業員同士でコミュニケーションを取れなかった企業も多いのではないだろうか。東京都品川区の湾岸エリアに本社をおくマーベラスもその例外では無かった。 

震災当日、同社は全社員へ向けたメールと社内グループウェアでの掲示板機能を用いて安否確認を行なった。しかし、メールでの一方的な通知となったため、全従業員の安否確認は困難を極めた。 

同社管理統括本部総務部長の若井利仁氏は「あの時はメールが届いているという前提のもと、連絡を行なっていた」と振り返るように、当時は確信を得ないまま安否確認作業が行われていた。数日間は、出社の際には人事部にメールで報告するなどのルールを策定し、ある程度の状況把握には務めたが、それだけでは不十分との思いが若井氏にはあったという。 

その後、本格的に安否確認システム導入を検討し始めた同社だが、どういった選定基準を持っていたのか。 

若井氏は「堅牢性・コスト面はもちろん前提にあったが、まずは使いやすさ。緊急時に使用するシステムなので、従業員に求める操作はシンプルだということが必要なことは言うまでも無いが、これに加え、管理者の操作も簡単・シンプルであることも重要な点だった」と説明。「企業の規模がまた拡大するにつれ、ユーザーのメンテナンスが大変になっていくのは目に見えている。社員の入退社のみならず、異動の際の作業も簡単に行えることは絶対条件だった」と語る。

Webでのリサーチや、防災イベントでサイボウズスタートアップスの安否確認サービスを知り、ユーザー情報のメンテナンスのしやすさに加え、システムの堅牢性・低価格に魅力を感じ、トライアルからスタートした。 

サイボウズスタートアップスの安否確認は700ユーザーで利用した場合、基本機能を備えたスタンダードプランで月額2万2800円。自動一斉送信を含めたプレミアプランの場合なら月額2万7800円だ。また、世界3個所にサーバーを設置する国際分散方式を採用しているため、局地的な災害でメインのサーバーに障害が起きてもサブのサーバーが稼働するためシステムを継続できる。 

2014年4月に導入以来、テスト送信を複数回行い、部長職へは安否確認サービス内の「マネージャー権限」を付与しているため、意識付けを継続して行なっており、今後は半年に一度以上を目安に訓練を行う予定だ。 

一部の社員は自主的に緊急連絡ツールを探していたとのことで、全社導入後「こんなサービスを待っていました」という声が届いたとのこと。それを受け若井氏も「導入検討にかなりの時間を費やしたが、導入して良かった。これからは訓練を継続しつつ、本当の緊急時に全社でしっかりと使ってもらえるようにしてきたい」とシステムの活用に積極的だ。