2015/01/20
C+Bousai vol2
特別対談
西澤雅道氏 前内閣府(防災担当)普及啓発・連携担当参事官室総括補佐
×
矢守克也氏 京都大学防災研究所教授

正解をつくる練習
災害が多い日本といっても、同じ地域で災害が繰り返されるケースは限定的で、多くの地域は被災経験がありません。そのような中で、意欲的に防災に取り組むにはどのような教育が必要でしょうか。
西澤:矢守先生は防災教育分野で有名な「クロスロード」ゲームの作成に力を注いで来られました。このゲームは、「正解がない」というのが特徴ですが、各地でとても盛り上がっています。このような仕組みを考えるに至ったきっかけを、まず矢守先生からご説明いただければ幸いです。
矢守:阪神・淡路大震災をきっかけに考えたのがクロスロードゲームです。「正解がない」問題に対して、自ら考えてもらうというのが目的です。自ら考えなくては、決して主体的に防災に取り組めないからです。
具体的には、クロスロードでは「Yes」、「No」の二者択一の設問に答えていきます。例えば、3000人がいる避難所で、あなたが自治体の職員や自主防災組織のリーダーだとして、2000人分しかない食料をすぐに配るかどうかを「Yes」「No」で答えてもらいます。

C+Bousai vol2の他の記事
- 特別対談|意欲的に取り組める防災教育「正解のない」問題を考える 災害経験を風化させないため
- 「60分ルール」で津波から守る 訓練のリアリティを追求する (神戸市長田区真陽地区)
- 若い世代も巻き込んだ防災活動 子どもが喜べば親も来る (神戸市須磨区千歳地区)
- コミュニティが町を救う 震災前に30年間のコミュニティ活動 (神戸市長田区真野地区)
- 毎月定例会毎年訓練と見直し (神戸市中央区旧居留地連絡協議会)
おすすめ記事
-
事業継続マネジメントシステムの国際規格を学ぶ!ISO22301解説セミナー【アーカイブ配信】
2021年4月13日(火)に開催したオンラインセミナーのアーカイブ配信です。
2021/04/16
-
想定外に備えるには想定外を「想定」した訓練が必要だ
社会を支える基幹インフラは災害時でも絶つわけにいきません。高速情報通信網がまさにそうで、これが守られるか否かは人・組織の生き残りをも左右します。が、その役割を誰がどこで担っているかは、あまり知られていないのではないでしょうか。日本最大規模のデータセンターを保有するアット東京の「24時間365日ノーダウンオペレーション」の取り組みを紹介します。
2021/04/15
-
非常時に目標と道筋を示すことが危機管理担当者の役割
非常事態に中心的な役割を求められるのが危機管理担当者だが、求められる能力は何か。また、平時に はどのように備えればよいのだろうか。岩手大学で防災危機管理に係る人材育成に取り組んできた越野 修三・同大学客員教授は、危機管理担当者に求められるのは、非常時に際して「少ない情報から状況判断 して、目標は何なのか道筋を示すこと」だと語る。
2021/04/05