2012/11/28
防災・危機管理ニュース
都民は防災備蓄強化 <世論調査結果>
東京都が11月27日に発表した「都民生活に関する世論調査」の結果によると、都民の都政への要望として、最も力を入れてほしいことは防災対策で、特に防災都市づくりや、災害時の活動体制の充実を高く望んでいることが明らかになった。
都政への要望
調査は毎年行っているもので、都全域に住む満20歳以上の男女3000人を、住民基本台帳から年齢や地域などに偏りなく無作為抽出し、調査員が個別訪問をして聴き取る方法で8月24日から9月9日にかけて実施した。
このうち、都政への要望として、特に力を入れてほしいものの上位5位は、第1位「防災対策」55%、第2位「治安対策」48%、第3位「高齢者対策」44%、第4位「医療・衛生対策」42%、第5位「環境対策」26%の順となった。都政への要望を経年変化で見ると、「防災対策」は2ポイント増加して昨年に引き続いて第1位で、昨年第3位だった「治安対策」が昨年より4ポイント増加して第2位となった。以下、第3位が「高齢者対策」、第4位が「医療・衛生」、第5位が「環境」。
防災対策への具体的な要望事項は、防災都市づくり(道路の整備や建築物の耐震化、不燃化等)が43.7%と最も高く、次いで災害時の活動体制の充実が39.4%、防災対策に関する普及・啓発活動の充実が10.1%と続く。
また、都が今年4月に公表した首都直下地震等による被害想定を受け、都民として備えを強化したものを聞いたところ、「飲食や食糧など生活必需品や防災用品の備蓄」が58%でトップ、「飲料水や食糧、ラジオなどの携帯」が38%、「避難場所や避難経路の確認」が37%、「家族や親戚、知人との連絡方法の確認」が32%と上位を占めた。一方で、自宅の耐震化や耐震診断の実施は7.7%と1割にも満たない。
震災への備え
このほか、地域の防災活動への参加状況について聞いたところ、「地域の防災活動に参加している」は16%で、「参加していないが今後できれば参加したい」が34%、「参加しておらず、今後も参加したいとは思っていない」は50%を占めた。
地域の防災活動への参加状況
「参加している」「したいと思っている」理由は、「災害時に取るべき行動や心構えを知りたいから」が69.6%と突出して高く、このほか「地域に貢献したいから」10.7%、「専門的な知識や技術を身につけたいから」7.8%、「地域の人と交流できるから」7.3%などが続いた。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
-
三協立山が挑む 競争力を固守するためのBCP
2024年元日に発生した能登半島地震で被災した三協立山株式会社。同社は富山県内に多数の生産拠点を集中させる一方、販売網は全国に広がっており、製品の供給遅れは取引先との信頼関係に影響しかねない構造にあった。震災の経験を通じて、同社では、復旧のスピードと、技術者の必要性を認識。現在、被災時の目標復旧時間の目安を1カ月と設定するとともに、取引先が被災しても、即座に必要な技術者を派遣できる体制づくりを進めている。
2025/08/11
-
アイシン軽金属が能登半島地震で得た教訓と、グループ全体への実装プロセス
2024年1月1日に発生した能登半島地震で、震度5強の揺れに見舞われた自動車用アルミ部品メーカー・アイシン軽金属(富山県射水市)。同社は、大手自動車部品メーカーである「アイシングループ」の一員として、これまでグループ全体で培ってきた震災経験と教訓を災害対策に生かし、防災・事業継続の両面で体制強化を進めてきた。能登半島地震の被災を経て、現在、同社はどのような新たな取り組みを展開しているのか――。
2025/08/11
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/05
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/08/05
-
-
カムチャツカ半島と千島海溝地震との関連は?
7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した巨大地震は、千島からカムチャツカ半島に伸びる千島海溝の北端域を破壊し、ロシアで最大4 メートル級の津波を生じさせた。同海域では7月20日にもマグニチュード7.4の地震が起きており、短期的に活動が活発化していたと考えられる。東大地震研究所の加藤尚之教授によれば、今回の震源域の歪みはほぼ解放されたため「同じ場所でさらに大きな地震が起きる可能性は低い」が「隣接した地域(未破壊域)では巨大地震の可能性が残る」とする。
2025/08/01
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方