ソフト対策と今後の課題

問題点4:死者15名中12名が65歳以上の高齢者であり、急激な浸水により避難が間に合わなかったものであり、水害に対する高齢者対策や避難勧告発令基準等が課題となった。

今回の水害では、ひとたび破堤した場合、その被害が非常に大きなものになることが改めて示された。近年増加傾向にある集中豪雨等の発生や計画を超える自然の外力の多発を踏まえ、災害に対する安全度を効果的に高めていく必要がある。
ダム、堤防などによるハード対策は洪水防御に極めて有効な手段であるが、計画を超える自然外力に対して限界がある。また、県内の中小河川を計画レベルまで整備するには、まだ時間を要する。そのため、現況の施設能力を超える外力が発生した場合にも壊滅的な被害とならないよう、ソフト対策を拡充し、万が一の場合の危機管理体制を強化することが重要と考える。

そのためには、水位情報等の提供、情報が確実に伝わるための体制整備が急務である。地域住民との合意形成を図りながら、従前の計画論にこだわらない多様な整備手法の導入についても検討する必要がある。

○<参考>各自治体における被害の詳細について(主なもの)
(1) 長岡市
市内において、詳細調査により、全壊5棟、半壊5棟、一部損壊3棟、床上浸水129棟、床下浸水920棟の被害。
(2) 三条市
市内において、全壊1棟、半壊5003棟、床上浸水685棟、床下浸水1405棟の被害。
13日 南新保地内において、78歳男性が家屋浸水により死亡。
14日 パトロール中の消防団員が死亡している78歳女性を発見。
14日 条南町において、76歳女性が死亡しているのが知人に発見される。
15日 南新保地内において、71歳男性が遺体で発見。
15日 西四日町地内において、87歳女性が自宅で遺体で発見。
15日 南新保地内において、84歳女性が遺体で発見。
(3) 柏崎市
16日 野田地内において、67歳男性が道路陥没に足をとられ捻挫。
(4)見附市
 市内において、28日現在、半壊1棟、一部損壊2棟、床上浸水906棟、床下浸水1139棟の被害
(5) 栃尾市
 13日 北荷頃地内において、土砂崩れにより83歳男性が死亡。 市内において、住家全壊3棟、半壊2棟、一部損壊6棟、床上浸水72棟、床下浸水436棟の被害
(6)中之島町
14日 役場付近で75歳女性の遺体を発見。
15日 14日から行方不明となっていた中之島町の78歳男性が自宅で遺体で発見。
15日 14日から行方不明となっていた中之島町の76歳男性が自宅で遺体で発見。
町内において、住家全壊55棟、半壊314棟、床上浸水108棟、床下浸水254棟の被害
(7) 津川町
15日 13日から行方不明となっていた津川町の72歳女性が遺体で発見。
(8) 出雲崎町
町内において、住家全壊4棟、一部損壊27棟、床上浸水5棟、床下浸水40棟の害。
13日 大字中山地内において、裏山が崩れ、家屋倒壊。72歳女性死亡。
(9)西山町
13日 68歳女性が、崩れてきた土砂と自宅の間に挟まれ、骨折の被害。
17日 新保地内で、13日から行方不明となっていた長岡市の63歳男性が遺体で発見。

参考文献:「7.13 新潟豪雨洪水災害調査委員会」(新潟県)、国土交通省北陸地方整備局・新潟県の関連資料。

(つづく)