2013/05/16
防災・危機管理ニュース
JIPDEC 「事業継続マネジメントシステムの理解の一助に」
一般財団法人日本情報経済社会推進協会情報マネジメント推進センター(JIPDEC)は5月15日、BCMS(事業継続マネジメントシステム)の国際規格であるISO22301の発行1周年を記念して、同規格の解説書「BCMSユーザーズガイド-ISO22301:2012対応-」を発行した。本文125ページで、22301の開発の背景や、ISO文章の基本的な枠組みと読み解き方、ISO22301の各章の解説などが詳しく書かれている。当面は、希望者に対してPDFで無料提供していくとしている。
JIPDECでは、2005年から事業継続計画(BCP)/事業継続マネジメント(BCM)に関する国内外の取り組みについて調査研究や普及活動を行ってきたが、2007年11月に英国の事業継続マネジメントの国際的な仕様であるBS25999-2が発行されたことから、2009年8月に事業継続マネジメントシステム(BCMS)に関する適合性評価制度を開始した。
適合性評価制度とは、BCMSに取り組むユーザー組織が、仕様や規格に記されている要求事項を正しく理解し、それを自社の取り組みに反映できているか、その取り組みを第3者認証機関が正しく審査できているかなどを総合的に評価する制度。専門の技術委員会などを設け、繰り返し問題点などを改善してきた。
一方、国際標準化機構では、英国のBS25999-2などをもとに、BCMSの国際規格化を進めてきて、2012年5月にISO22301が発行された。
これを受け、JIPDECでは、同年8月1日から、ISO22301を認証規格としたBCMS適合性評価制度を開始。新規に組織がBCMS規格を認証取得する場合はISO22301にすること、既にBS25999-2で認証取得している組織はISO22301による認証に移行することなど、制度の内容をISOに併せて移行させた。
今回発行したガイドは、ISO22301に示されている要求事項だけでは理解が難しい部分などについて、事例などを用いて詳しく解説されている。
2011年3月の東日本大震災以降、事業継続の取り組みに対する組織内外、そして国内外からの要求はますます高まっている。
JIPDECでは、「本ガイドが、ISO22301に基づく事業継続マネジメントシステムを理解する上での一助となり、組織で働く方々、組織の利害関係者、そして社会全体のために役立つ事業継続マネジメントシステムの構築につながることを期待している」とコメントしている。
ユーザーズガイドは以下のサイトより申し込みができる。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/10/05
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/10/01
-
-
-
ERMにおける実行性の強化
企業は、リスクに対する組織の適切な行動を管理するためにオペレーショナルリスクとコンダクトリスクといったリスクカテゴリーを設定し管理を実施していることが多い。オペレーショナルリスク管理は、過去の操業上の失敗事例を分析して同種の事例の再発を予防するための管理である。換言すれば、過去・現在の状況を踏まえ、それを将来に延長して対応するフォワードルッキングなアプローチの一種といえる。他方、コンダクトリスク管理は、将来の環境が必ずしも過去と同様ではないことも踏まえ、組織行動の特徴を理解した上で、組織行動を律する根底の部分(組織文化と表現することもある)を意識して、不測の事態を招かないための制御を行う活動といえる。
2024/09/25
-
-
海外工場の労働環境を把握 課題を明らかに
「ミキハウス」のブランドでベビー服や子供服、靴、玩具などの販売を世界中に展開する三起商行が、委託先のミャンマー工場の人権侵害を指摘されたのは2016年11月だった。同社は第三者機関を設立して調査。結果をもとに工場に改善を依頼し、実行された。その後、各種方針や規範を策定し、2019年には人権デュー・デリジェンスの取り組みを開始。責任あるサプライチェーンの構築に力を注いでいる。
2024/09/25
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方