「働きがいがある職場」をどう導くかは、リスク低減の観点からも重要(イメージ:写真AC)

日本の企業には働きがいがない⁉

企業にとって、働きがいのある職場づくりは、成長に必要であるだけでなく、リスク低減という意味でも大切なものです。まずは「働きがいがない職場」を想像してみましょう。

・仕事に意味が見いだせない
・頑張っても報われない
・職場の人間関係がギスギスしている
・施策が朝令暮改で、何をしたいのかよくわからない
・会社への信頼感がない

ほかにもいろいろありそうですが、とりあえずはこんなところでしょうか。

働きがいのない職場は離職率も高まりそう(イメージ:写真AC)

このような企業だと、まず離職率が高くなることが予想されます。ということは、採用コストがかかるうえ、新しく入った人の指導など職場の負担が増えて、また離職者が出るという負のサイクルに入ってしまうかもしれません。そもそも、こんな状態だと業績も上がり目がなさそうですね。

それだけでなく、このような状態でハラスメントや内部不正が起きた際、いきなり外部に告発されてしまうということも考えられます。社内で不適切な部分を正すことができるように相談窓口を設けていても、社員が企業を信頼していなければ、通報者側に不利になるかもしれないと判断されてしまいます。

実際、2019年にカネカが育休明けの男性社員に転居をともなう転勤を命じたことを、家族がTwitter(現X)に投稿し、パタハラではないかと炎上した事例もありました。外部への告発だけでなく、ハラスメントが起きているのに黙ったまま離職されたりすると、また新たな犠牲者を生み出してしまう、そうしたゆがみが蓄積されて、ある日大問題になるということも考えられます。