「働きがいがない職場」にはリスクが満載
第7回:従業員エンゲージメント国際比較調査から
吉野 ヒロ子
1970年広島市生まれ。博士(社会情報学)。帝京大学文学部社会学科准教授・内外切抜通信社特別研究員。炎上・危機管理広報の専門家としてNHK「逆転人生」に出演し、企業や一般市民を対象とした講演やビジネス誌等への寄稿も行っている。著書『炎上する社会』(弘文堂・2021年)で第16回日本広報学会賞「教育・実践貢献賞」受賞。
2023/12/15
共感社会と企業リスク
吉野 ヒロ子
1970年広島市生まれ。博士(社会情報学)。帝京大学文学部社会学科准教授・内外切抜通信社特別研究員。炎上・危機管理広報の専門家としてNHK「逆転人生」に出演し、企業や一般市民を対象とした講演やビジネス誌等への寄稿も行っている。著書『炎上する社会』(弘文堂・2021年)で第16回日本広報学会賞「教育・実践貢献賞」受賞。
企業にとって、働きがいのある職場づくりは、成長に必要であるだけでなく、リスク低減という意味でも大切なものです。まずは「働きがいがない職場」を想像してみましょう。
ほかにもいろいろありそうですが、とりあえずはこんなところでしょうか。
このような企業だと、まず離職率が高くなることが予想されます。ということは、採用コストがかかるうえ、新しく入った人の指導など職場の負担が増えて、また離職者が出るという負のサイクルに入ってしまうかもしれません。そもそも、こんな状態だと業績も上がり目がなさそうですね。
それだけでなく、このような状態でハラスメントや内部不正が起きた際、いきなり外部に告発されてしまうということも考えられます。社内で不適切な部分を正すことができるように相談窓口を設けていても、社員が企業を信頼していなければ、通報者側に不利になるかもしれないと判断されてしまいます。
実際、2019年にカネカが育休明けの男性社員に転居をともなう転勤を命じたことを、家族がTwitter(現X)に投稿し、パタハラではないかと炎上した事例もありました。外部への告発だけでなく、ハラスメントが起きているのに黙ったまま離職されたりすると、また新たな犠牲者を生み出してしまう、そうしたゆがみが蓄積されて、ある日大問題になるということも考えられます。
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