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この度の能登半島地震により被害に遭われた皆さまへ、心からのお見舞い申し上げますとともに、大切な方々を亡くされた皆さまへ、謹んでお悔やみ申し上げます。また、被災地の復旧・復興支援のためにご尽力されている方々に深く敬意を表します。
 
2024年1月1日に能登半島における大地震が発生し、2024年は大変な幕開けとなりました。
 
能登半島地震だけではなく、気候変動による災害の多発、米中対立やロシアによるウクライナ侵攻などの地政学リスクの高まり、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックなどにより、BCP(事業継続計画)/BCM(事業継続マネジメント)の重要性は増しています。

本連載では、ESG時代に日本企業に求められるBCPとリスクマネジメントについて、BCPの概要から最近の動向、課題などについて、事例を交えながら解説します。

連載初回と2回目の「10年先を見据えた未来志向型BCP!防災対策からの脱却~ESG時代に求められるBCP4.0とは?~(前編・後編)」を踏まえて、BCP4.0時代に企業に求められる「組織レジリエンス」について解説します。

10年先を見据えた未来志向型BCP!防災対策からの脱却(前編)
10年先を見据えた未来志向型BCP!防災対策からの脱却(後編)

企業を取り巻くエマージングリスクの広がり

メガトレンドが複合的に絡み合い、急激な環境変化が起こり得る現代において、想定外の事象が発生することに起因するリスク、いわゆる「エマージングリスク」に対処することが重要な経営課題の1つとなっています。

エマージングリスクとは、「予期せぬ環境変化により顕在化する、従来は存在・想定されなかった破壊的な影響をもたらし得る新たなリスク」を指します。

現在、エマージングリスクを如何に検出し、マネジメントするかに関する国際規格「ISO31050 (Guidance for managing emerging risks to enhance resilience)」の開発が進められており、今後、日本企業においてもエマージングリスクの分析・特定・対応が進むことが想定されます。

BCP(事業継続計画)とエマージングリスクの関係は、自然災害のように従前より事業継続のリスクとして認識されてきたものを越えて、新たに検討すべきリスクが広がりを見せていると捉えることができます。

戦争や紛争の発生により事業停止に追い込まれる「地政学リスク」、気候変動により従来調達していた資材の調達が不可能となり製造が滞るといった「環境リスク」、取引先における児童労働などの人権侵害の発生によりサプライチェーンが停止し得る「人権リスク」、リスクとしては従前から認識されているもののBCPの対象外としているケースが多く見受けられる「法令・規制違反リスク」などが挙げられます。

このような想定外の破壊的な影響をもたらすリスクが顕在化した際、企業としてそれらを乗り越え、さらに成長していくためには、これらのリスクに対するBCPを備えることが大切です。

さらに、従業員一人ひとりが高いレジリエンス能力を保持していること、すなわち「組織レジリエンス」が重要になります。