2014/04/07
防災・危機管理ニュース
3段階で22種類の様式を組み合わせ
宮城県はこのほど、県内の企業向けに「みやぎ企業BCPガイドライン」を策定した。東日本大震災の反省を踏まえ、企業が取り組みやすいように配慮したのが特長で、BCPの取り組みレベルに合わせ3段階の「みやぎモデル」を用意した。モデル文書の電子データ(word形式)を公開することで作成時間も短略化し、県内企業はもとより、南海トラフや首都直下地震など、今後大震災の発生が予見されている地域など全国の企業に役立ててもらいたいとしている。
ガイドラインでは、BCMと緊急事態管理をベースとした取り組みを推奨。BCMはもともと事業中断からの再開や復旧対策を焦点としたマネジメントプロセスとして発展してきたが、実際の緊急事態の対応の善し悪しは、緊急事態が発生する前の事前対策によるところが多きいいことから、緊急事態発生前にすべき「予防」「防護・軽減」「事前準備」と、発生後にすべき「対応」「復旧」の2段階に分け、さらに事業継続対応を1つの段階とみなし、これらの3段階について段階的に取り組む方法を紹介。同時に、段階に応じた3つのモデル文章を示した。
具体的には、段階1を、これまでBCPを策定したことがない企業でも取り組みやすいよう緊急事態対応の最も基本的な機能だけを絞った事前計画(はじめの一歩計画)として示した。段階2では発災時の緊急事態対応に必要な要素までを取り入れ、段階3では緊急事態対応に加え事業継続対応までをカバーしている。全部で22種類の様式を用意し、段階1では6種類、段階2では15種類、段階3で22種類すべてを活用するようステップアップ方式で取り組めるようにしている。
東日本大震災を踏まえ、BCPを策定する上での考え方を大きく変えた部分もある。例えば従来の考え方ではBCPの適用範囲を中核事業に限定していた。しかし東日本大震災ではこの考え方が災いし、緊急事態が発生すると中核事業以外は「想定範囲外」となり、対応できなかったケースが目立った。今回のガイドラインでは適用範囲を「原則としてすべての事業」とし、除外事業だけ決めることを推奨している。
2012年に実施した「東日本大震災おけるBCP効果検証調査」の結果、程度の差はあるものの震災時にBCPは有益だったという意見が多かったことを踏まえ、同県では今後も企業のBCPの取り組みを促進していくという。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/11/25
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17
-








※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方