2024/09/19
防災・危機管理ニュース
【イスタンブール時事】レバノン各地では前日に続き18日も通信機器がほぼ同時に相次いで爆発を起こし、多数の死傷者が出た。身近な機器が突然、殺傷力の強い凶器に変わる未曽有の攻撃。「全面戦争への序章だ」「敵に報復を」。緊迫度を増す日常にレバノン市民は戦々恐々としている。
砕け散った無線機。炎を上げて燃え盛る車両。地元メディアが伝えた18日の被害状況は、爆発のすさまじい威力を物語る。一般市民の巻き添えもいとわない無差別的な攻撃で、大きな人的被害を狙ったのは明らかだ。
レバノンでは17日に通信機器が一斉に爆発し、2800人以上が死傷した。多くはイスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーだったとされる。中東メディアが報じた映像によれば、17日の爆発で死亡したヒズボラ構成員の葬儀中、無線機の爆発が葬列を襲い、叫び声を上げる参列者がパニックになって逃げ惑った。
首都ベイルートに住む不動産業者のアブ・アルアベドさん(40)は18日、時事通信の電話取材に「きのうときょうの出来事で、レバノンではひどく悪いことが起きる予感がする」と吐露。イスラエルを「敵国」と見なす一方、ヒズボラに対する不信感も強く、「ヒズボラがイスラエルを挑発して、レバノンを目標のない壊滅的な戦争に巻き込もうとしている。代償を払うのは私たちだ」と憤りをあらわにした。
ヒズボラ支持が根強いベイルート南部在住のラナさん(43)は、顔や手に重傷を負った被害者の惨状を見て「怒りと悲しみでいっぱいだ」と話した。自身も爆発したのと同型の通信機器を持っていたが、17日は別の部屋に置いてあり難を逃れたという。「彼ら(イスラエル)は今回は成功し、われわれに痛手を与えたかもしれないが、その報いは厳しいものになるだろう」と語気を強めた。
〔写真説明〕18日、レバノン南部の村で行われた葬儀の最中に起きた爆発(SNSの動画より)(ロイター時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
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