2024/09/19
防災・危機管理ニュース
【北京時事】中国広東省深セン市で日本人学校の男児が刺され死亡した事件で、地元警察は「44歳の男をその場で取り押さえた」と発表したが、動機などは一切明らかにしていない。日本人を狙った犯行なのかも不明だ。中国では刃物を使った襲撃事件が相次いでおり、背景には経済情勢の悪化による社会不安があるとみられる。
深センと同様に日本人が多く住む江蘇省蘇州市では6月、日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子を男が刃物で襲撃する事件が起きた。今月には吉林省長春市にある商業施設の敷地内で、男が刃物を持って暴れ、取り押さえようとした警官が死亡。男はその場で射殺された。
経済専門家は「長引く不動産不況が景気回復を阻んでおり、社会不安が広がりかねない状況だ」と懸念する。中国では、不動産市場が経済全体に大きな影響を及ぼす。幅広い業種の企業が不況で痛手を被り、雇用環境が悪化。失業者が犯罪に手を染めるケースが増えている可能性がある。
さらに、新型コロナウイルス感染を徹底的に封じ込める厳格な「ゼロコロナ」政策が、経済不振を加速させた。2022年末に解除へ急転換したが、それ以降も経済再建は順調に進んでいない。
「習近平政権は経済より国家安全を重視している」(外交筋)と言われる。国内各地では農村部を含む至る所に監視カメラが設置され、犯罪発生後早期に犯人を特定し拘束する体制が整ってはいる。しかし、凶器を使った突然の犯行を防ぐのは容易でない。経済低迷が社会混乱を引き起こさないよう、習政権は当面、困難なかじ取りを余儀なくされそうだ。
〔写真説明〕中国の習近平国家主席=6月28日、北京(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方