2024/09/28
防災・危機管理ニュース
元日の能登半島地震に続き、記録的大雨で甚大な被害が出た石川県輪島市。被災者からは、早期復興を求める切実な声が次々と上がった。
地震後に入居した仮設住宅が大雨で浸水し、親族宅への避難を余儀なくされた鈴木健夫さん(68)は「冬になれば雪も心配だ。早く安心して暮らせるようにしてほしい」と要望。「まずは被災地に来て現状を見てほしい」と訴えた。
運送業の男性(52)は「2度の災害で心が折れた」と嘆く。地震後は車中泊を経験したこともあり、「国と県で連携し、まずは住宅の整備から被災地を支援してほしい」と強調した。
無職女性(66)は、地震発生から約9カ月経過しても、市内の道路に倒壊家屋などが放置されている現状を問題視。「地震直後より余計に悪くなっている場所もある」と憤る。仮設住宅は今回の大雨で浸水したといい、「復興計画は、次の災害を想定した上で立ててほしい。被災地を見捨てないで」とつぶやいた。
復興推進を求める声は、東日本大震災の被災地からも。宮城県南三陸町ののり販売店で働く千葉英志さん(68)は、津波で自宅を流された。震災後も能登半島など全国各地で大きな災害が続くことを念頭に「石破茂氏には災害に強い国づくりを進めてほしい」と求めた。
石破氏が創設を目指す「防災省」についても「地震や大雨などに備えるためにあったほうがいい」と指摘。「ただ、石破氏一人だけではできない。これからどんなチームを作って取り組むか、しっかり見届けたい」と力を込めた。
東京電力福島第1原発事故後、激減した漁獲量の回復に努めてきた相馬双葉漁協(福島県相馬市)の今野智光組合長(65)は「石破氏は震災発生当時から被災地を回っており好印象だ」と評価する。「相馬市や浪江町などでは若い後継者が増えてきた。彼らが漁業をなりわいにできるようにしてくれれば」と話し、支援策の継続を求めた。
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/17
-
サイバーセキュリティを経営層に響かせよ
デジタル依存が拡大しサイバーリスクが増大する昨今、セキュリティ対策は情報資産や顧客・従業員を守るだけでなく、DXを加速させていくうえでも必須の取り組みです。これからの時代に求められるセキュリティマネジメントのあり方とは、それを組織にどう実装させるのか。東海大学情報通信学部教授で学部長の三角育生氏に聞きました。
2025/06/17
-
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方