2024/09/28
防災・危機管理ニュース
能登半島北部の大雨災害は、28日で発生から1週間となった。石川県輪島、珠洲両市などでは一部で断水が続いており、衛生環境の悪化による災害関連死が懸念される。避難所での生活を余儀なくされている被災者も多く、県などは旅館やホテルなどへの2次避難を急ぐ。
県などによると、27日時点で死者は11人。行方不明者や連絡が取れない安否不明者は合わせて6人に上り、消防や県警などによる捜索が続く。土砂崩れなどに伴う孤立集落はほぼ解消された一方、ライフラインの復旧が課題で、約4250世帯が断水のまま。両市と能登町で27カ所の避難所に計456人が身を寄せている。
乾いた泥による粉じんの呼吸器への影響や感染症被害、度重なる災害による心理面のダメージへの懸念が高まっており、県などは2次避難を希望するか意向調査を実施している。早ければ来週初めに避難住民の移送を開始する。
元日の地震では、県南部の加賀地方などに住民を広域避難させたが、今回は長距離の移動が心身にもたらす負担を考慮。受け入れ先をできるだけ近郊の宿泊施設で調整している。
現地で災害医療を担う稲田真治・日本赤十字社名古屋第二病院救命救急センター長は避難所の環境について「土足を避け、衛生状態の良い状況で食事を取るなど生活環境全般の整備が必要」と指摘する。2次避難に関してもコミュニティーのつながりが脆弱化するリスクがあるとして「住民の意向をよく確認することが大事だ」と語った。
〔写真説明〕大雨で自宅に入った泥を片付ける住民ら=28日午前、石川県輪島市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/19
-
-
-
-
「自分の安全は自分で」企業に寄り添いサポート
海外赴任者・出張者のインシデントに一企業が単独で対応するのは簡単ではありません。昨今、世界中のネットワークを使って一連の対応を援助するアシスタンスサービスのニーズが急上昇しています。ヨーロッパ・アシスタンス・ジャパンの森紀俊社長に、最近のニーズ変化と今後の展開を聞きました。
2025/08/16
-
-
白山のBCPが企業成長を導く
2024年1月1日に発生した能登半島地震で震度7を観測した石川県志賀町にある株式会社白山の石川工場は、深刻な被害を受けながらも、3カ月で完全復旧を実現した。迅速な対応を支えたのは、人を中心に据える「ヒト・セントリック経営」と、現場に委ねられた判断力、そして、地元建設会社との信頼関係の積み重ねだった。同社は現在、埼玉に新たな工場を建設するなどBCPと経営効率化のさらなる一体化に取り組みはじめている。
2025/08/11
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方