2024/10/20
防災・危機管理ニュース
内閣府などが主催する「ぼうさいこくたい2024」が10月19日と20日の2日間、熊本市で開かれた。全国から自治体やNPO法人、企業など過去最多となる412団体が参加し、災害に関するさまざまなテーマについて議論が展開された。
20日に開催された防災教育チャレンジプラン実行委員会による「防災教育の推進~DX技術を活用した学びの深化」では、地元工務店の株式会社アネシスや熊本市教育委員会が、それぞれの現場におけるDXによる防災や災害対応の取り組みを発表。兵庫県立大学教授の木村玲欧氏が司会を務め、文部科学省総合教育政策局の木下史子氏や神戸学院大学の舩木伸江氏も議論に加わり、先進的な事例をいかに今後防災教育に生かしていくか意見を交わした。
アネシスの関連会社で防災対応を担当する株式会社リリーフ代表取締役の前田優氏は「熊本地震をきっかけに、災害対応を変えていかなくてはいけないと強く感じ、災害時に顧客の安全をいかに迅速に行えるようにするかという観点からDX化を進めている」と報告。アネシスで社内のDX化を担当する木下裕之氏は、「DXは基本的にすべて内製で行っている。訓練などを通じて実際に作ったアプリなどを繰り返し活用し使いやすいものにしている」などと紹介した。文部科学省の木下氏は「これまでのあり方を変えるということはとても大変なこと。同じことをどのように学校教育で実現していけばいいか」と質問し、これについて、前田氏は「防災と通常業務を分けるのではなく、通常業務の中に防災を取り入れていく。DXについてもそれだけを切り離して行うのではなく、業務の中で、効率化につながるものや防災の取り組みにつながるものをやっていける組織風土をつくっていくことが大事ではないか」と語った。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
競争と協業が同居するサプライチェーンリスクの適切な分配が全体の成長につながる
予期せぬ事態に備えた、サプライチェーン全体のリスクマネジメントが不可欠となっている。深刻な被害を与えるのは、地震や水害のような自然災害に限ったことではない。パンデミックやサイバー攻撃、そして国際政治の緊張もまた、物流の停滞や原材料不足を引き起こし、サプライチェーンに大きく影響する。名古屋市立大学教授の下野由貴氏によれば、協業によるサプライチェーン全体でのリスク分散が、各企業の成長につながるという。サプライチェーンにおけるリスクマネジメントはどうあるべきかを下野氏に聞いた。
2025/12/04
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/02
-
-
-
-
-
-
目指すゴールは防災デフォルトの社会
人口減少や少子高齢化で自治体の防災力が減衰、これを補うノウハウや技術に注目が集まっています。が、ソリューションこそ豊富になるも、実装は遅々として進みません。この課題に向き合うべく、NTT 東日本は今年4月、新たに「防災研究所」を設置しました。目指すゴールは防災を標準化した社会です。
2025/11/21
-
サプライチェーン強化による代替戦略への挑戦
包装機材や関連システム機器、プラントなどの製造・販売を手掛けるPACRAFT 株式会社(本社:東京、主要工場:山口県岩国市)は、代替生産などの手法により、災害などの有事の際にも主要事業を継続できる体制を構築している。同社が開発・製造するほとんどの製品はオーダーメイド。同一製品を大量生産する工場とは違い、職人が部品を一から組み立てるという同社事業の特徴を生かし、工場が被災した際には、協力会社に生産を一部移すほか、必要な従業員を代替生産拠点に移して、製造を続けられる体制を構築している。
2025/11/20
-
企業存続のための経済安全保障
世界情勢の変動や地政学リスクの上昇を受け、企業の経済安全保障への関心が急速に高まっている。グローバルな環境での競争優位性を確保するため、重要技術やサプライチェーンの管理が企業存続の鍵となる。各社でリスクマネジメント強化や体制整備が進むが、取り組みは緒に就いたばかり。日本企業はどのように経済安全保障にアプローチすればいいのか。日本企業で初めて、三菱電機に設置された専門部署である経済安全保障統括室の室長を経験し、現在は、電通総研経済安全保障研究センターで副センター長を務める伊藤隆氏に聞いた。
2025/11/17






※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方