2024/11/04
防災・危機管理ニュース
11月5日は津波防災の日(世界津波の日)である。2024年は、2004年に発生したインド洋大津波から20年という節目にあたる。
2004年12月26日午前7時58分(日本時間午前9時58分)、インドネシア共和国スマトラ島アチェ州沖でM9.0と推定される海溝型巨大地震が発生した。米国地質調査所によると、この地震の規模は1900年以降、4番目の大きさになる(最大は1960年のM9.5のチリ地震)。
これにより発生した大津波がインドネシアのみならず、遠地津波として、タイ、マレーシアやインド、スリランカ、モルディブ、さらには遠くアフリカ大陸まで到達し、インド洋沿岸諸国に未曾有の被害をもたらした。これによる被災者は120万人、死者および行方不明者数30万人以上、被害総額は78億ドル超に達すると見込まれている。
この大津波で日本をはじめ欧米等海外からの観光客も多数犠牲となった。邦人の被害としては35名の死亡が確認された(平成17年防災白書)。
インド洋大津波を受け、日本国内でも津波防災対策への意識が急速に高まった。日本の気象庁によると、津波警報システムの発表速度を向上させるための技術改良がこの時期に行われ、警報発表までの時間が短縮されるようになった。従来のシステムでは津波警報の発表に十数分を要していたが、改良後は数分以内に迅速な警報が発表されることが可能となった。この改善は、インド洋大津波の教訓として位置づけられている。
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/02
-
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方