反グローバリズムの台頭による混沌
第77回:ルール至上主義の弊害(6)
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
2024/12/16
再考・日本の危機管理-いま何が課題か
多田 芳昭
一部上場企業でセキュリティー事業に従事、システム開発子会社代表、データ運用工場長職、セキュリティー管理本部長職、関連製造系調達部門長職を歴任し、2020年にLogINラボを設立しコンサル事業活動中。領域はDX、セキュリティー管理、個人情報管理、危機管理、バックオフィス運用管理、資材・設備調達改革、人材育成など広範囲。バイアスを排除した情報分析、戦略策定支援、人材開発支援が強み。
ルールが本来の目的を逸脱し独り歩きをする事象のリスクを考えてきた。その考察時に避けて通れない現代社会の最大のリスクは、グローバル社会において定められる各種のルールではないだろうか。
少し話はそれるが、国際的なスポーツにおけるルールに関してまずは語らせていただく。スポーツの世界におけるルール変更が、恣意的なものが多いと囁かれるのを聞いたことはあるだろう。
特に我々日本人の視点からいうと、スキーやスケート競技において日本人が国際大会で活躍すると、その後日本人の体格に不利になるようなルール変更がなされてきたとの憶測は有名である。競技を公正公平に行う目的で定められるルールであるはずなのにだ。
あえて解釈するならば、公平公正であれば発祥の地である自分たちが負けるはずがないという一方的な心情があり、劣勢になっているのはルールに問題があるという発想であろうと想像できる。
一方で日本のお家芸ともいえる柔道のルールは、本来の「柔よく剛を制す」の精神を根底にするものから、グローバル圧力だろうか、どんどん体力勝負の要素が強い競技に変質しているという指摘もある。前の例と比較して、日本のお人好しさとでもいうのだろうか、グローバル社会で生き抜く知恵を備えたたくましさに欠ける現れといえるのではないだろうか。
それでも、いったん定まったルールは守ることが競技において当然のことであり、その過程がどうであろうともルールはルール、守らなければ競技は成立しないのが道理である。
スポーツ界を例にあげたが、ここで指摘したようなグローバル社会の傾向は政治や経済でも同様、いやそれ以上だといえるだろう。
グローバル社会とは、世界を同一化するという根底の理念を持つがゆえ、ルールというかたちで国際社会の圧力となり、各国の法制度に影響を及ぼす。悪法も法なり、スポーツと同様いったん定まったルールは逸脱すれば大きなリスクにつながる。たとえルールが間違っていて、守る方がむしろさまざまなリスクが高まると判断される場合であっても、ルールを守る以外の選択肢は持てない状況が続いてきた。
ところが、米国トランプ氏が1回目の大統領就任の頃から、世界は自国の国益を優先する、ある意味合理的な判断を優先する考えが広がり始めた。その後「極右」と蔑称されながらも世界で大きな流れを生み、今回、トランプ氏が再選した。
そうなると、これまでのグローバルルールも見直す必要があり、その重要要素の一つである環境問題、脱炭素に関しても、正確に流れを読み、実態を把握しておく必要性が高まるのは当然だろう。
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