「優秀な」BCP担当者とはどういう人か?
第16回:BCの目指す姿から考える人材確保
荻原 信一
長野県松本市出身。大学卒業後、1991年から大手IT企業に勤務。システム開発チームリーダーとして活動し、2005年にコンサルタント部門に異動。製造業、アパレル、卸業、給食、エンジニアリング、不動産、官公庁などのコンサルティングを手がける。2020年に独立。BCAO認定事業継続主任管理士、ITコーディネータ。
2024/12/18
ざんねんなBCPあるある―原因と対処
荻原 信一
長野県松本市出身。大学卒業後、1991年から大手IT企業に勤務。システム開発チームリーダーとして活動し、2005年にコンサルタント部門に異動。製造業、アパレル、卸業、給食、エンジニアリング、不動産、官公庁などのコンサルティングを手がける。2020年に独立。BCAO認定事業継続主任管理士、ITコーディネータ。
BCPの計画と現実とのギャップを多くの企業に共通の「あるある」として紹介し、食い違いの原因と対処を考える本連載。第2章として「BCPの実効性、事業継続マネジメント、発生コスト」に焦点をあてています。今回は危機管理人材の育成・確保に潜む「あるある」を取り上げ、優秀なBCP人材とはどういう人かを考えます。
・優秀な人材をBC推進担当者としてアサインさせたい
「優秀な人材をBC推進担当者としてアサインさせたい」と、よく聞きます。
「優秀である」という表現は、なんともあいまいな表現ですが、いわゆる優秀な人とは、目的を理解し、取り組むべきことの全体感を把握し、すぐに用語や指示が通じ、結果を導くストーリーを描け、フットワークが軽く仕事は早く、周辺を巻き込むことができ、部門間調整ができ、時間を守り、必要に応じた軌道修正ができ、結果を出せる人をイメージします。
アサインさせたいと言われても、そんな人はどの部門でもほしいし、そんな人がいる部門はけっして手放したりしないでしょう。でも、もしそんな人が偶然BC推進担当者としてアサインでき、BCの推進をミッションとして与えたら、たちどころに成果を上げてうまくいくかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。
定義があいまいな、いわゆる「優秀な人」を求めることが正解なのでしょうか。気になる点が二つあります。
その1、その人がいなくなったらどうする?
自分が担当から離れてもBCMが自律的にまわっていくような仕組みづくりまでできる「優秀な人」であればいいのかもしれませんが、多くの場合、BCMに関わる業務が「属人化した業務化」「ブラックボックス化」「聖域化」してしまい、プロセスや成果を評価できない状態や、困っていたとしても手を差し伸べられない状態になってしまう恐れがあります。
その2、優秀な人は必ずしも優秀なリーダーではない
スポーツの世界で名選手と名監督の話に例えられている通り、自分ができることは皆もできると思い込んでしまっていたり、自分でやった方がよい結果が出るからとか、メンバーのミスを許せないからとかで、仕事を任せられなかったりすることがあります。プレイヤーとしての能力の高さがマネジメント能力と必ずしもイコールにはならず、結果として組織のパフォーマンスが低いものになってしまう現象です。
BCは、特定の個人がゴールを目指して突き進んでいく性質のものではありません。企業(組織)全体を動かしてこそのものです。安直に「優秀な人」という言葉でアサインすることには大きなリスクをともなうことを認識し、どのようにBCを推進したい(させたい)のかをしっかりイメージしてから、求めるべき人物像が「どういう点で優秀である人」かをはっきりさせる必要があると考えます。
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