2025/01/08
防災・危機管理ニュース
【ラスベガス時事】米メタ(旧フェイスブック=FB)が7日、外部機関によるファクトチェックを廃止すると発表した。利用者30億人を超えるSNS最大手の大きな方針転換からは、同社の投稿管理を批判してきたトランプ次期大統領との融和を図る狙いが透けて見える。今後は利用者がこの役割を担う形になり、投稿への制限も緩和されるが、偽情報や憎悪表現が広がることも懸念される。
ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「自由な表現について、われわれのルーツに立ち返る時だ」と述べた。X(旧ツイッター)が先行して採用する、利用者が真偽の疑わしい投稿に注釈を付ける「コミュニティーノート」のような仕組みをまずは米国で数カ月かけて導入する。
ファクトチェックの仕組みは、2016年の米大統領選で偽情報が氾濫したことへの批判を踏まえ、導入。規則に抵触する投稿に対して削除やアカウント凍結といった措置を取ってきた。ザッカーバーグ氏は、運用の中で判断の誤りや行き過ぎがあったと説明した。
ザッカーバーグ氏は「政府や伝統的なメディアが『検閲』を強く求めてきた」とも批判。メタはイスラム系少数民族ロヒンギャに対する憎悪表現の拡散などを巡って責任を問われ、批判に応える形で投稿管理を厳格化してきた。
だが、トランプ氏の大統領返り咲きが決まったことで潮目が変わった。トランプ氏は、21年の連邦議会襲撃事件をあおったとして自身のアカウントを凍結したメタに対し、猛烈な「検閲」批判を展開。ザッカーバーグ氏を刑務所に送るとも発言した。
メタは状況打開のため、渉外担当社長に共和党系人材を昇格させ、取締役にトランプ氏支持を公言する総合格闘技団体「UFC」のCEOを招いた。ファクトチェック廃止も、トランプ氏との緊張関係を緩和する一手だったもようだ。
〔写真説明〕米メタのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)=2024年1月、ワシントン(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
-
-
-
-
-
-
阪神・淡路大震災30年 いま問われるもの
日本社会に大きな衝撃を与えた阪神・淡路大震災から30年。あらゆる分野が反省を強いられ、安全を目指してさまざまな改善が行われてきました。しかし、日本社会にはいま再び災害脆弱性が突き付けられています。この30年で何が変わったのか、残された課題は何か。神戸大学名誉教授・兵庫県立大学名誉教授の室﨑益輝氏に聞きました。
2025/02/06
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/02/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方