2025/01/27
防災・危機管理ニュース
フジテレビの記者会見の主な内容は次の通り。
【冒頭】
嘉納修治会長 社として、人権意識の不足から十分なケアができなかった。当事者の女性におわび申し上げる。視聴者や広告主の皆さまに多大なご迷惑をかけおわび申し上げる。この事態を招いた責任は私ども経営者にあり、本日付で代表取締役会長を辞任する。
港浩一社長 このような事態を招いた責任を痛感し、社長を辞任した。第三者委員会の調査に全面的に協力し、再発防止に尽力していく。先日の会見を一部メディアに限定し、テレビカメラを入れない形で行う判断は透明性や説明責任を欠き、メディアの信頼性を揺るがした。
女性の体調回復とプライバシー保護を最優先にしてきた。人権侵害が行われた可能性のある事案だったが、中居(正広)氏に適切な検証を行わず、番組出演を継続し、タレントや関係者との会食の在り方の検証ができなかったことなど至らない点があった。私に人権への認識が不足し、会社のガバナンス(企業統治)を十分機能させられなかった。
女性は長く療養し、希望していた仕事への復帰がかなわなくなった。弊社の対応が深い失望を抱かせた。ご本人とお会いして直接おわびしたい。
清水賢治新社長 人権侵害は許されない。逸脱行為は厳正対処し、再発防止策を徹底する。
上野陽一執行役員 事案は2023年6月に起きたと認識。現時点でも、社員は(問題の)食事会に関与していないと判断している。社長への報告は23年8月。女性への悪影響を危惧し、中居氏には正式調査しなかった。女性への聞き取りはできていない。
社員には複数回聞き取りしたが、食事会の存在を把握せず、キャンセルしたこともないと話した。スマートフォンのメッセージやLINEなどの履歴からも関与をうかがわせるものは確認できなかった。中居氏にも(非公式に)複数回聞き取りしたが、社員は食事会に関わっていないと話していた。
【質疑】
―日枝久相談役が会見に出席しない理由と責任は。
金光修フジ・メディア・ホールディングス(HD)社長 (日枝氏の)影響力は大きく、企業風土の礎をつくっているのは間違いない。直接的な関与は多分なく、登壇する必然性はないが、事案に対する遠因という意味も含めて考えないといけない。
―他の経営陣が辞めない理由は。
遠藤龍之介副会長 新組織は暫定的。第三者委の報告書が出る時期を一つのめどとし、それぞれの役員が責任を取るべきだ。
―前回の会見形式は港社長の判断か。
港氏 女性のプライバシー保護が頭にあり、最終的に私が定例会見の形を取った。大きな間違いだった。
―女性アナウンサーを会食の接待要員として同席させるような空気が常態化していたのか。
港氏 番組で共演する女性アナウンサーが出席することはある。一緒の仲間として宴席を囲んでおり、接待要員との認識はない。
―女性は誰に誘われたのか。
港氏 中居氏に確認したが守秘義務を理由に開示されなかった。
―コンプライアンス推進室と事案の共有は。
港氏 共有していなかった。少人数で職場復帰できるまで寄り添うことが最善だと思い進めてきた。
―企業風土をどう変えていくか。
港氏 昔はいろいろなことが緩かった。そのやり方や雰囲気を引きずっている部分がある。今の時代に合わせてアップデートし、厳しく変えていく。
―中居氏へ損害賠償を求める考えは。
遠藤氏 第三者委の結論が出ておらず、今のところ考えていない。可能性はゼロではないかもしれない。
〔写真説明〕記者会見の冒頭、謝罪するフジテレビの(左から)遠藤龍之介副会長、港浩一社長、嘉納修治会長、フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長=27日午後、東京都港区
〔写真説明〕多くの記者が挙手するフジテレビの記者会見。中央奧は港浩一社長=27日午後、東京都港区
(ニュース提供元:時事通信社)


防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年「いま」に寄り添う <西宮市>
西宮震災記念碑公園では、犠牲者追悼之碑を前に手を合わせる人たちが続いていた。ときおり吹き付ける風と小雨の合間に青空が顔をのぞかせる寒空であっても、名前の刻まれた銘板を訪ねる人は、途切れることはなかった。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年語り継ぐ あの日
阪神・淡路大震災で、神戸市に次ぐ甚大な被害が発生した西宮市。1146人が亡くなり、6386人が負傷。6万棟以上の家屋が倒壊した。現在、兵庫県消防設備保守協会で事務局次長を務める長畑武司氏は、西宮市消防局に務め北夙川消防分署で小隊長として消火活動や救助活動に奔走したひとり。当時の経験と自衛消防組織に求めるものを聞いた。
2025/02/19
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
-
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方