2025/01/29
防災・危機管理ニュース
国内の市民マラソン大会で、ランナーが心停止した事例を調べたところ、男性の発生頻度は年代が上がるほど上昇し、60歳以上が最も高いとの調査結果を、慶応大の真鍋知宏准教授らの研究グループがまとめた。60歳以上は49歳以下の約6倍高かった。一方、女性では、年齢とともにリスクが上がる傾向は確認されなかった。
調査は2011年4月~19年3月に開催された日本陸連公認のフルマラソン516大会を対象に実施。延べ約410万人の参加者のうち約8割が男性だった。心停止したのは69人で、うち66人は男性が占めた。
心停止の発生頻度は、参加者10万人当たりで1.7人。年代別では40歳未満と40~49歳はそれぞれ0.9人だったが、50~59歳は2.6人、60歳以上は5.5人と、年代が上がるごとに上昇していた。高齢者に多い、狭心症などが影響しているとみられる。
市民マラソンは07年に初めて開催された東京マラソンが火付け役となり、全国に広がった。新型コロナウイルス禍を経て、定員割れや財政難で廃止に追い込まれる例も相次ぐが、地元グルメによる「おもてなし」など工夫を凝らした大会は根強い人気がある。
真鍋准教授は「男性は女性と異なり、年齢に応じてマラソン中の心停止の発生頻度が高いことが分かった。60歳以上の男性は、参加前に心臓病などがないか健康診断を受けてほしい」と話している。
〔写真説明〕市民マラソン大会(資料写真)
(ニュース提供元:時事通信社)

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