2025/02/03
防災・危機管理ニュース
【カイロ時事】イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザでの停戦発効後、ヨルダン川西岸ジェニン一帯への軍事作戦を本格化させている。2日の声明で、作戦開始後の数週間で武装勢力のメンバー少なくとも50人を殺害したと発表。「テロ根絶」が目的だと作戦を正当化し、建物を相次ぎ破壊するなど攻撃の手を緩めていない。
ジェニンにはパレスチナ難民キャンプがあり、イスラム組織ハマスや武装組織「イスラム聖戦」などのパレスチナ武装勢力が拠点化しているとされる。AFP通信によれば、軍は1月14日に空爆を開始。ガザ停戦発効後の21日から大規模作戦に乗り出した。
イスラエルのメディアによると、軍は今月2日朝、「テロリストの基地として使われていた」と主張する23棟のビルを破壊。爆弾や武器の製造工場を発見した。パレスチナのメディアは、約20棟のビルが同時に爆破され、ジェニン市内のほか近隣の町々にも爆発音が響いたと報じた。
ロイター通信によれば、パレスチナ自治政府のアッバス議長は「パレスチナの人々に対するイスラエルの攻撃を止めさせるため」、国連安保理の緊急会合開催を要請した。ハマスは2日、ビル破壊を受けて、イスラエルに対する「抵抗の激化」を呼び掛けた。
イスラエルは、ハマスなどを支援するイランが西岸の武装勢力に武器や資金を送ろうとしていると批判している。作戦ではヘリコプターやドローン、装甲車両などの支援を受けたイスラエル兵が、各地で武装勢力と銃撃戦を展開。カッツ国防相は先週、ジェニンでの「作戦終了後も、軍部隊はテロ再発防止のため現地に残る」と表明している。
〔写真説明〕2日、ヨルダン川西岸のジェニンで、イスラエル軍の攻撃を受け煙が立ち上がるパレスチナ難民キャンプ(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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