2025/03/04
防災・危機管理ニュース
発生7日目も延焼が続き、平成以降最大規模となった岩手県大船渡市の山林火災。専門家は、断続的に吹き続けた風や険しい地形、乾燥した腐葉土が拡大の一因とみている。
同市では火災が発生した2月26日に最大瞬間風速18.1メートルを観測し、その後も強風が吹き続けた。山林火災に詳しい東北大流体科学研究所のサミュエル・マンチェロ客員教授は「強風下では数キロ先の建物や森林に飛び火するため、消火を難しくしている」と説明。乾燥した山の腐葉土も延焼の一因とみており、「枝や葉が細かく積み重なり、着火しやすい」と分析する。
三陸地方沿岸は急斜面が続く地形になっている。森林総合研究所(茨城県つくば市)の玉井幸治研究ディレクターは「風や地形が延焼速度に与える影響は大きい」と指摘。シミュレーションでは風速2メートルの時に比べ、延焼速度が風速6メートルで約10倍、8メートルで約20倍になった。また、平たんな森林に比べ、傾斜30度の森林では約1.5倍、40度では約2倍になったという。
〔写真説明〕山林火災現場に放水する陸上自衛隊のヘリ=2月28日、岩手県大船渡市(防衛省提供・AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/10/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方