2025/03/04
防災・危機管理ニュース
岩手県大船渡市の山林火災は5日で発生から1週間となる。焼失面積は約2600ヘクタールに拡大し、平成以降で最大となった。1896世帯4596人を対象とした避難指示も継続。懸命の消火作業が続くが、長引く避難生活に住民からは「疲労困憊(こんぱい)だ」などの声も漏れる。
市などによると、火災は2月26日午後1時ごろ同市赤崎町で発生。市内7地区で住宅などへの延焼が確認され、少なくとも84棟が焼けた。同27日には同市三陸町綾里で男性1人の焼死体が見つかった。
自衛隊などのヘリコプターが上空から散水し、各地からの緊急消防援助隊も地上で放水を続けている。しかし、勾配がきつく延焼しやすい地形であることなどから、消火活動は難航。地元消防からは雨を待ち望む声も出ている。
同市では2月17日以降、0.5ミリ以上の降水が観測されず、極端な少雨が続いていた。しかし、盛岡地方気象台によると5日は久しぶりの降水が見込まれる。低気圧が三陸沖を北東へ進むため、6日にかけて雨や雪が降りやすい状況になる。総雨量は多い所で約50ミリの予想。
市内12カ所の避難所には引き続き計約1200人が身を寄せている。公民館に避難する佐々木一幸さん(44)は「狭くてプライベート空間がなく、疲れる」とこぼす。別の避難所で過ごす同市赤崎町の無職女性(84)は「床が冷えて寒い」と不安げ。「自宅はどうなるのか。安心していられない」と語った。
県は被災した人を受け入れられるよう、大船渡市や陸前高田市に県営住宅46戸を確保した。応急仮設住宅の整備に向けた調整も進めている。
〔写真説明〕集落まで火の手が迫る様子を漁港から見守る人たち=3日、岩手県大船渡市
(ニュース提供元:時事通信社)

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