2025/05/16
防災・危機管理ニュース
【シリコンバレー時事】トランプ米大統領が米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」をインドで生産する計画に待ったをかけた。同社は長年、アイフォーンの大半を中国で生産してきた。米中の「関税戦争」を受け、生産移管でコスト増を避ける狙いだったが、再考を迫られた形だ。人件費などが高い米国で生産しても、そのコストは価格に転嫁される公算が大きく、消費者にも打撃となる。
「これまで、よくしてきてやっただろう。インドで生産してほしくない」。トランプ氏は15日、アップルのクック最高経営責任者(CEO)にこう伝えたと明らかにした。
クック氏は5月、米国向けの大半のアイフォーンをインドで生産すると表明したばかり。トランプ政権による中国への大幅な関税引き上げを踏まえ判断した。それでもコストは9億ドル(約1300億円)増える見通しだ。
アップルは2月、4年間で5000億ドルの対米投資を表明するなど、トランプ氏におもねってきた。ただ、中心はAI投資だ。大統領は15日、アップルが米国生産を増強すると期待を示したが、複雑なサプライチェーン(供給網)の見直しは簡単ではない。
トランプ氏は民業への口先介入を強めている。4月、米アマゾン・ドット・コムがインターネット通販の一部製品で、関税がもたらした影響額の表示を検討していることが伝わると、ベゾス会長に電話で苦言を呈し、撤回させた。
ウェドブッシュ証券のダン・アイブス氏の推計によると、米国でアイフォーンを製造すると、現在1000ドル(約15万円)の端末は3500ドル(約50万円)に跳ね上がるという。米国はインドと通商交渉のさなかにあり、今回のトランプ発言は駆け引きとの見方もある。ただ、米政権はこれまで、米国への生産回帰が可能だとも繰り返しており、真意は不明だ。
〔写真説明〕米ニューヨーク五番街のアップルストアに並んだiPhone(アイフォーン)=4月4日(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/10/14
-
走行データの活用で社用車をより安全に効率よく
スマートドライブは、自動車のセンサーやカメラのデータを収集・分析するオープンなプラットフォームを提供。移動の効率と安全の向上に資するサービスとして導入実績を伸ばしています。目指すのは移動の「負」がなくなる社会。代表取締役の北川烈氏に、事業概要と今後の展開を聞きました。
2025/10/14
-
-
-
-
トヨタ流「災害対応の要諦」いつ、どこに、どのくらいの量を届ける―原単位の考え方が災害時に求められる
被災地での初動支援や現場での調整、そして事業継続――。トヨタ自動車シニアフェローの朝倉正司氏は、1995年の阪神・淡路大震災から、2007年の新潟県中越沖地震、2011年のタイ洪水、2016年熊本地震、2024年能登半島地震など、国内外の数々の災害現場において、その復旧活動を牽引してきた。常に心掛けてきたのはどのようなことか、課題になったことは何か、来る大規模な災害にどう備えればいいのか、朝倉氏に聞いた。
2025/10/13
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/10/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方