2025/06/08
防災・危機管理ニュース
防衛省は人工知能(AI)を用いた防衛装備品を研究・開発する際に、適切な人間の判断を介在させる「AI適用ガイドライン」を策定した。攻撃型の無人機や無人艇などが対象になるが、審査するのは同省で、「身内」のチェックに客観性や信頼性を担保できるか課題もある。
契約に基づき研究開発に参加する企業側が知的財産に関わるAIのデータをどこまで開示するかも実効性を左右する。
AIが人間の関与なしに標的を識別、選択し相手を殺傷する兵器は自律型致死兵器システム(LAWS)と呼ばれ、規制の在り方が国連で議論されている。日本政府は「人間の関与が及ばない完全自律型の致死性兵器の開発を行う意図はなく、国際法や国内法により使用が認められない装備品の研究開発を行うことはない」との立場を表明している。
ガイドラインの審査項目には国際人道法順守のほか「人間の責任の明確化」や「AIへの過度の依存防止」、AIが用いるデータの偏在により差別的な結論が導き出されないようにする「公平性の確保」などが挙げられている。
審査するのは防衛装備庁を中心とする「部内AI会議」や防衛省内の専門家で構成される「部内有識者会議」。技術審査では最先端の知見を有する外部の専門家からリスク管理上の意見も聴くが、AIを用いた個別の装備品の研究・開発が適切かどうか判断するのは同省になる。
LAWSを巡る国際的なルール作りの議論に参加している外務省も審査には関与しない。防衛省は「外務省とはLAWSに関する議論や認識を普段から共有している」としている。
審査では、研究開発に用いたAIの学習データやアルゴリズムなどについて、企業側に開示を求める可能性もある。ガイドラインには法的強制力はないため、契約に開示条件を含めることも考えられる。
防衛省幹部は「防衛産業界との対話を通じ、企業の知的財産権をどう保護するかも含めバランスを取りながら方策を考えたい」と話した。
〔写真説明〕防衛装備庁が研究中の戦闘支援型多目的USV(無人艇)の模型。人工知能(AI)を搭載し、対艦ミサイルや魚雷発射能力を備えることを目指す=5月23日、千葉市の幕張メッセ
(ニュース提供元:時事通信社)

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