2025/06/16
防災・危機管理ニュース
農林水産省は16日、コメの出来を数値で示した「作況指数」の公表を2025年産米から廃止すると発表した。収穫量調査は手法を改めて継続する。コメの統計を巡っては、生産者の実感と乖離(かいり)していると疑問の声が上がっており、コメ高騰の一因になったとも指摘されていた。
収穫量調査は、人工衛星のデータや人工知能(AI)などを使って精度を向上させる方針だ。小泉進次郎農水相は「最新の技術も活用しながら精度を向上させ、農業政策の新たな基盤を確立していきたい」と語った。
農水省は作況指数を約70年前から公表してきた。全国8000カ所の水田で取れた玄米をふるいにかけて選別し、主食用米となり得る粒の量を把握。10アール当たりの収穫量を直近30年間の傾向と比較していた。
ただ、ふるいの目の大きさが生産者が使用するものと異なるほか、温暖化で地域によっては収量が変化し、生産現場の実態が反映されていない可能性があった。24年産米の作況指数は「平年並み」の101、主食用米の収穫量は679万2000トンと23年産米より18万トン余り増える見通しだったが、結果的に品薄に陥った。
〔写真説明〕取材に応じる小泉進次郎農林水産相=16日午後、東京・霞が関
(ニュース提供元:時事通信社)

- keyword
- 作況指数
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
カムチャツカ半島と千島海溝地震との関連は?
7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した巨大地震は、千島からカムチャツカ半島に伸びる千島海溝の北端域を破壊し、ロシアで最大4 メートル級の津波を生じさせた。同海域では7月20日にもマグニチュード7.4の地震が起きており、短期的に活動が活発化していたと考えられる。東大地震研究所の加藤尚之教授によれば、今回の震源域の歪みはほぼ解放されたため「同じ場所でさらに大きな地震が起きる可能性は低い」が「隣接した地域(未破壊域)では巨大地震の可能性が残る」とする。
2025/08/01
-
巨大地震後に噴火 カムチャツカ半島・クリュチェフスカヤ火山地震と噴火の関係は?専門家に聞く
7月30日に発生した、カムチャツカ半島沖を震源とするマグニチュード8.7の地震は、遠く離れた日本の太平洋沿岸一帯に、広く警報を発令させるほどの津波をもたらした。さらにカムチャツカ半島では地震発生後に、クリュチェフスカヤ火山が噴火した。巨大地震がこの噴火の引き金になったのか。地震と噴火の関係について、火山と地震の観測が専門で、調査のために約20回もカムチャツカ半島に足を運んでいる、北海道大学理学研究科附属地震火山研究観測センター教授の高橋浩晃氏に聞いた。
2025/07/31
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/29
-
-
-
「想定外」を乗り越える力コカ・コーラ ボトラーズジャパンが挑む、危機管理の再構築
コカ・コーラ社製品の製造、販売、自動販売機のオペレーションなどを手掛ける、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、2024年の能登半島地震を機に、危機管理体制の再強化に乗り出している。直接的な被害は免れたものの、系列他社の被災や支援要請の集中を通じて、情報伝達や意思決定、業務の優先順位といった多くの課題が顕在化した。同社は今、グローバル基準の危機対応フレーム「IMCR」の再徹底を軸に、全社一丸の再構築に踏み出している。
2025/07/21
-
-
-
-
ランサムウェアの脅威、地域新聞を直撃
地域新聞「長野日報」を発行する長野日報社(長野県諏訪市、村上智仙代表取締役社長)は、2023年12月にランサムウェアに感染した。ウイルスは紙面作成システム用のサーバーとそのネットワークに含まれるパソコンに拡大。当初より「金銭的な取引」には応じず、全面的な復旧まで2カ月を要した。ページを半減するなど特別体制でなんとか新聞の発行は維持できたが、被害額は数千万に上った。
2025/07/10
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方