農林水産省は16日、コメの出来を数値で示した「作況指数」の公表を2025年産米から廃止すると発表した。収穫量調査は手法を改めて継続する。コメの統計を巡っては、生産者の実感と乖離(かいり)していると疑問の声が上がっており、コメ高騰の一因になったとも指摘されていた。
 収穫量調査は、人工衛星のデータや人工知能(AI)などを使って精度を向上させる方針だ。小泉進次郎農水相は「最新の技術も活用しながら精度を向上させ、農業政策の新たな基盤を確立していきたい」と語った。
 農水省は作況指数を約70年前から公表してきた。全国8000カ所の水田で取れた玄米をふるいにかけて選別し、主食用米となり得る粒の量を把握。10アール当たりの収穫量を直近30年間の傾向と比較していた。
 ただ、ふるいの目の大きさが生産者が使用するものと異なるほか、温暖化で地域によっては収量が変化し、生産現場の実態が反映されていない可能性があった。24年産米の作況指数は「平年並み」の101、主食用米の収穫量は679万2000トンと23年産米より18万トン余り増える見通しだったが、結果的に品薄に陥った。 
〔写真説明〕取材に応じる小泉進次郎農林水産相=16日午後、東京・霞が関

(ニュース提供元:時事通信社)