【イスタンブール、ワシントン時事】イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」は23日、カタールで米軍が駐留するアルウデイド空軍基地を標的にミサイル攻撃を行ったと表明した。米国のイラン核施設攻撃への報復措置。最高指導者ハメネイ師のX(旧ツイッター)には攻撃後、星条旗が燃える絵柄と共に「われわれは誰からの攻撃も受け入れず、屈しない」と投稿された。
 同基地は中東最大の米軍基地で、米兵約1万人が駐留。米国防総省やカタール外務省によると、イランから短距離と中距離の弾道ミサイルで攻撃されたが、防空システムで迎撃した。トランプ米大統領は自身のSNSで、米国人やカタール人の死傷者はいなかったと明らかにした。
 米ニュースサイト「アクシオス」によれば、イランは基地攻撃を前にカタール側と連絡を取り、米国には事前通告されていた。トランプ氏は「イランが事前に通知してくれたおかげで、死傷者が出なかったことに感謝したい」と述べた。また、「世界よ、おめでとう。平和の時だ」とも表明し、さらなる報復は行わない姿勢を示した。
 トランプ氏によると、イランから米軍基地に向けて14発のミサイルが発射され、13発を迎撃。1発は違う方向にそれた。
 イランの外交や国防を統括する最高安全保障委員会は「使われたミサイルの数は、米国が核施設に投下した爆弾と同じだ。作戦は成功した」とする声明を発表。「友好国カタールやカタール国民には脅威を及ぼさない」と訴え、アラブ諸国と敵対の意思はないと配慮を示した。 
〔写真説明〕23日、イランが使用し、カタール上空で迎撃されたミサイルの残骸(撮影場所不明・AFPテレビの映像より)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)