気象庁は1日、国内の6月の平均気温が平年を2.34度も上回り、1898年の統計開始以来、最高記録を更新したと発表した。これまでの最高は2020年で、平年差は1.43度。同庁異常気象情報センターの及川義教所長は「真夏のような大気の状況が早く出現し、平年差がこんなに大きくなるとは思わなかった。異常な高温と言って差し支えない」と話している。
 6月中旬を中心に上層で中国大陸のチベット高気圧、下層で太平洋高気圧が日本付近に張り出し、35度以上の猛暑日になる所が続出した。地域別でも奄美と沖縄地方を除き、1946年の統計開始以来の最高を更新。平年差は北海道の3.4度が最も大きく、2番目は東北の2.9度だった。
 及川所長は今後について、「夏(6~8月)の平均気温が統計史上最高だった一昨年や昨年のようになる可能性が出てきた」として、「熱中症対策を励行してほしい」と呼び掛けた。
 日本近海の6月の平均海面水温は平年を1.2度上回り、82年の統計開始以来、昨年と並ぶ最高記録だった。
 6月の降水量は東日本と西日本がともに平年比96%だったが、北日本(北海道・東北)は85%にとどまり、奄美と沖縄地方は56%で少なかった。 
〔写真説明〕日傘を差して竹下通りを歩く人たち=6月28日、東京都渋谷区

(ニュース提供元:時事通信社)