2025/08/03
防災・危機管理ニュース
埼玉県行田市で、同市が発注した下水道管の点検作業を行っていた男性作業員4人がマンホール内に転落し死亡した事故で、事故発生時に内部の硫化水素濃度が国の基準の15倍以上だったことが3日、分かった。作業に当たった土木会社が明らかにした。
同社は、4人が当時、転落防止用の安全器具を着けておらず、地上から酸素を送る「エアラインマスク」と呼ばれる器具が作業場になかったことも公表した。県警は、会社側の安全管理が十分だったかどうか調べている。
県警は同日、4人の身元について、いずれも同県の会社員で、本間洋行さん(53)=行田市谷郷、樋口英和さん(56)=上尾市平塚、松村誠さん(54)=鴻巣市上谷=と北本市居住の54歳男性と発表した。
消防や行田市などによると、当時、マンホール内には硫化水素が発生していた。土木会社によると、4人の転落を確認した際、硫化水素を検知する器具の警報が鳴り、硫化水素の濃度は150ppm以上を示していた。国の基準は10ppm以下。
県警は、作業員が硫化水素を吸い込んだ可能性もあるとみている。
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 硫化水素
防災・危機管理ニュースの他の記事
- 徳島県美馬市で39.3度=全国3分の1で猛暑日―気象庁
- 硫化水素、基準の15倍以上=作業員、安全器具着けず―マンホール転落事故・埼玉
- 中国、行き過ぎ「倹約令」迷走=会食で酒禁止、飲食業に打撃
- 関税影響、緩和に安堵も霧晴れず=中小企業「どうしようもない」―アジアでも打撃、価格転嫁必要
- 米AIソフト導入計画が物議=トランプ政権不信、情報漏えい懸念―独
おすすめ記事
-
-
カムチャツカ半島と千島海溝地震との関連は?
7月30日にカムチャツカ半島沖で発生した巨大地震は、千島からカムチャツカ半島に伸びる千島海溝の北端域を破壊し、ロシアで最大4 メートル級の津波を生じさせた。同海域では7月20日にもマグニチュード7.4の地震が起きており、短期的に活動が活発化していたと考えられる。東大地震研究所の加藤尚之教授によれば、今回の震源域の歪みはほぼ解放されたため「同じ場所でさらに大きな地震が起きる可能性は低い」が「隣接した地域(未破壊域)では巨大地震の可能性が残る」とする。
2025/08/01
-
巨大地震後に噴火 カムチャツカ半島・クリュチェフスカヤ火山地震と噴火の関係は?専門家に聞く
7月30日に発生した、カムチャツカ半島沖を震源とするマグニチュード8.7の地震は、遠く離れた日本の太平洋沿岸一帯に、広く警報を発令させるほどの津波をもたらした。さらにカムチャツカ半島では地震発生後に、クリュチェフスカヤ火山が噴火した。巨大地震がこの噴火の引き金になったのか。地震と噴火の関係について、火山と地震の観測が専門で、調査のために約20回もカムチャツカ半島に足を運んでいる、北海道大学理学研究科附属地震火山研究観測センター教授の高橋浩晃氏に聞いた。
2025/07/31
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/29
-
-
-
「想定外」を乗り越える力コカ・コーラ ボトラーズジャパンが挑む、危機管理の再構築
コカ・コーラ社製品の製造、販売、自動販売機のオペレーションなどを手掛ける、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は、2024年の能登半島地震を機に、危機管理体制の再強化に乗り出している。直接的な被害は免れたものの、系列他社の被災や支援要請の集中を通じて、情報伝達や意思決定、業務の優先順位といった多くの課題が顕在化した。同社は今、グローバル基準の危機対応フレーム「IMCR」の再徹底を軸に、全社一丸の再構築に踏み出している。
2025/07/21
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方