【ロンドン時事】正体不明の路上芸術家バンクシーの新作が、ロンドンにある王立裁判所の建物の壁に登場した。英メディアが8日報じた。裁判官が木づちでデモ参加者を殴る様子が描かれており、活動を禁じられた親パレスチナ団体「パレスチナ・アクション」を支持するデモの参加者らが多数拘束されたことへの抗議とみられる。
 バンクシーが自身のインスタグラムで写真を公開した。法衣とかつらを着用した裁判官が、血の付いたプラカードを掲げて倒れている人に殴り掛かる姿を描写。説明はないが、ロンドンでは先週末にデモ参加者900人近くが拘束されており、関連が指摘されている。
 新作は公開後すぐ、当局によってプラスチック板で覆われた。デモ主催団体代表はスカイニューズに対し、「(新作は)パレスチナ・アクションを禁じた政府の蛮行を力強く表現している。法律が市民の自由を破壊する道具として使われるとき、抵抗は一層強まる」と述べた。 
〔写真説明〕8日、ロンドンの王立裁判所の壁に描かれた路上芸術家バンクシーの新作(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)