農林水産省は10日、重要統計の見直しなどを審議する総務省統計委員会の専門部会に、コメの出来具合を表す「作況指数」廃止に伴う新たな指標案を示した。現行の指数は過去30年の平年収量との比較で算出しているが、新指標は直近5年を対象とし、近年頻発する異常気象の実態を反映しやすくする。同委員会は提案を踏まえて作況指数の廃止や新指標を承認する答申をとりまとめる。
 作況指数は過去30年間のデータを基に算出した10アール当たりの平年収量と比較して、その年の収量が多いか少ないかを示す。近年の記録的な猛暑の影響などが十分に反映されず、生産現場の実感とのズレが指摘され、調査結果の信頼性に疑問の声も出ていた。
 農水省が示した新指標案では、極端な豊作や凶作によるぶれを防ぐため、直近5年で最も収量が多い年と最も少ない年を除いた3年分について、10アール当たりの平均収量を算出して比較する。 
〔写真説明〕稲刈りをする農家=8月17日、千葉県印西市(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)