2025/11/14
防災・危機管理ニュース
地球規模で気候変動が進行する中、日本でも記録的高温が頻発している。8月には群馬県伊勢崎市で41.8度を観測し、国内の最高気温を記録。6~8月の日本の夏の平均気温も統計開始以来の最高を更新した。専門家は、夏が長引いて春秋が短くなる一方、冬の期間は変わらず、「二季化」が進んでいると指摘。「この異常事態に危機感を持つべきだ」として、気候変動対策の強化が欠かせないとみている。
三重大学の研究チームが北海道から九州までの海洋を含む範囲を約200区画に分け、1982~2023年の最高気温と最低気温を分析したところ、42年間で「夏の期間」が前後に約3週間(約21.4日)延びたことが分かった。また、24年の「夏の期間」は6月8日~10月18日の133日間で、最長だったという。一方、「冬の期間」はほとんど変化がなかった。
立花義裕教授(気象学)は、日本がユーラシア大陸の端に位置し、太平洋に面していることから、陸と海の2方向から暑さがもたらされると説明。「日本は温暖化の被害を一番受けている国の一つだ」と強調する。
猛暑のみならず、豪雨、竜巻、洪水といった気候変動の影響で発生する「気候災害」についても、立花氏は「温暖化のペースは研究者の予測よりも速く、何も対策をしなければ加速度的に進行してしまう」と指摘。50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の目標に関し、前倒しして達成を目指す必要性を訴える。
〔写真説明〕8月5日、国内の最高気温を記録した群馬県伊勢崎市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
能登半島地震からまもなく2年
能登半島地震からまもなく2年。災害対応の検証も終盤に入っています。浮上した課題を反映し、災害関連法も変わりました。来年はこれらの内容をふまえた防災・BCPの見直しが加速しそうです。発災直後から被災地を調査し、石川県の初動対応を振り返る検証委員会の委員も務めた金沢大学准教授の青木賢人氏に防災・BCP強化の方向を聞きました。
2025/12/25
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/12/23
-
-
-
-
-









※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方