【香港時事】香港北部・新界地区大埔の高層住宅で発生した大規模火災で、香港当局は1日、一部の防護ネットが防火基準を満たしていなかったと発表した。これまでに過失致死容疑で建設会社やコンサルティング会社の関係者ら13人を逮捕したことも明らかにした。
 11月26日に火災が発生した高層住宅7棟は外壁の補修工事中だった。施工業者は手の届きにくい場所に基準を満たさない防護ネットを使用し、監督当局の目を逃れていた。可燃性の高い発泡スチロールを使用していたことも延焼拡大につながったもようだ。
 香港政府ナンバー2の陳国基政務官は「関係者の手口は極めて欺瞞(ぎまん)的で、政府の検査を逃れた」と指摘。「計画的な犯罪で、わずかな利益のために多くの死者を出した」と批判した。
 これまでに151人の死亡が確認された。依然として30人以上と連絡が取れておらず、犠牲者はさらに増える恐れがある。施工業者や監督当局のずさんな安全管理や防火対策が大惨事を招いたとの見方が広がり、SNSでは「人災」と批判する声もある。 
〔写真説明〕大規模な火災が発生した香港・新界地区大埔の高層住宅から上がる煙=11月27日(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)