東京・赤坂の個室サウナ店「サウナタイガー」で30代の夫婦が死亡した火災で、店の男性オーナーが「非常ボタンの受信盤の電源が入っていなかった。今までに入れたこともない」と話していることが17日、捜査関係者への取材で分かった。
 サウナ室内に設置された非常ボタンが押されたがブザーは鳴らず、当時店内にいたオーナーを含む3人は気付かなかったとみられる。警視庁捜査1課は業務上過失致死容疑も視野に、店側の管理態勢を調べている。
 捜査関係者によると、店には複数のサウナ室があり、それぞれに非常ボタンが設置されていた。ボタンを押すと1階事務室にある受信盤のブザーが鳴る仕組みだったが、男性オーナーは「触ったこともない」と説明しており、火災当時は電源が入っていなかったという。
 同課が現場検証したところ、2人が利用していたサウナ室内の非常ボタンはプラスチック製のカバーが割れ、本体も壊れていた。同課は2人が繰り返し強く押したとみている。
 また木製ベンチの上には燃えたタオルが残されていたが、熱せられたサウナストーンに触れたことで出火したとみられる。 
〔写真説明〕火災が起きた個室サウナ店「サウナタイガー」を調べる警視庁の捜査員=16日、東京都港区

(ニュース提供元:時事通信社)