弁護士法違反容疑で逮捕された「退職代行モームリ」サービスの運営会社社長谷本慎二容疑者(37)は、違法性を認識しながら従業員らに指示を出していたとみられ、ある元従業員は「口止めされた」と打ち明ける。
 取材に応じた元従業員は、サービス利用者から勤務先でストーカー被害に遭っていると聞き、警察に相談するよう勧めた。すると谷本容疑者ら2人から「弁護士に紹介しないと売り上げにならない」と叱責された。「違法だから言わないで」とくぎも刺されたという。
 同社側から提携先の弁護士に2022年7月に送信された、利用者のあっせんを提案するメールを見たこともあった。会社のメールは社員なら見られる状態だったといい、提案を受けた弁護士からは「紹介料を払うことは禁止されている。別の名目であれば、3割相当額を謝礼としてお渡しできる」などと返信があった。
 同社から弁護士をあっせんされた利用者が、同社への支払いに加え、弁護士への着手金も負担したものの問題が解決せず、トラブルになったケースもあったという。
 元従業員は、谷本容疑者に対し「違法と分かっていて従業員に加担させていた説明責任を果たすべきだ」と憤った。
 同社のコンプライアンス(法令順守)に対する姿勢に疑問を呈する声もある。名古屋市の会社経営の男性は、横領した疑いがある女性従業員を問い詰めたところ、数日後に退職代行の電話を受けた。事情を説明すると、後日「本人や保護者に確認したが、心当たりがないと言っていた」と連絡があったという。男性は警察にも相談しており、「警察沙汰になっている利用者の退職代行は明らかにおかしい」と非難した。 
〔写真説明〕警視庁原宿署に移送される「退職代行モームリ」運営会社「アルバトロス」社長、谷本慎二容疑者=3日午前、東京都渋谷区

(ニュース提供元:時事通信社)