肖像権と撮影・公表
SNSなどの運用における留意点
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2026/09/01
弁護士による法制度解説
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどの各種SNSをご利用の方はとても多いと思います。個人のアカウントを作成して閲覧・投稿するのみならず、企業としてもアカウントを作成し、SNSへ投稿することをとおして広報活動を行っているということも当然のことのようになっています。
企業におけるSNS運用においては、おそらく内部で運用ルールを定め、それに則った運用がなされているのではないかと思いますが、その中に、写真や動画を投稿する際に人物が写り込んでいる場合についてのルールはあるでしょうか。
人物が写り込んでいる場合、その人物がお客様か社員かなどの属性を問わず、肖像権侵害などの法的問題が生じかねないものです。
この肖像権という言葉自体は、大半の方が見聞きされたことがあるといえるくらい一般に流布した言葉だと思います。しかしながら、その正確な(法的)意味をご存知の方は多くないのではないでしょうか。
そこで、今回は肖像権について取り上げて、企業のSNSなどの運用における留意点などを考えてみたいと思います。
「肖像権」という名の権利について、日本において法律に明文の規定はありません。また、最高裁判例でも「肖像権」として明確に定義されているわけでもありません。しかしながら、肖像権は憲法13条を根拠に人格的利益の権利やプライバシー権の一環として、法的保護に値する権利であるとされています。
そして、最高裁判例では、「肖像権」とされているわけではないものの、「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態(略)を撮影されない自由を有する」(昭和44年12月24日)とされ、また、「人は、自己の容ぼう等を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益も有する」(平成17年11月10日)とされています。
これらに照らすと、個人の人格的利益に関する権利たる肖像権は、容ぼう等をみだりに撮影されない権利と、容ぼう等をみだりに公表されない権利とから構成されるものであるといえます。これをまとめると、下表のようになります。
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