2019/02/12
ニュープロダクツ

ヤフーは12日、平成30年7月豪雨で被災した愛媛県宇和島市の復興支援を実施すると発表した。ネットで募金や宇和島市の特産品の販売のほか、災害時の情報発信についての協定も締結した。
宇和島市は豪雨で災害関連死2人を含む13人が死亡。3410カ所で斜面崩壊があり、農林水産業で約254億円、全体では350億円を超えるとされる被害を出した。ヤフーでは、2011年の東日本大震災をきっかけにでき、災害支援のため被災地での名産品を紹介するサイト「エールマーケット」において、宇和島市産の柑橘類であるブラッドオレンジを紹介。えひめ南農業協同組合(JAえひめ南)が出店する「Yahoo!ショッピング」のサイトに誘導する。赤い果肉が特徴の果実のほかジュースと果実酒を販売する。
「Yahoo!ネット募金」で宇和島市復興支援のための募金を呼びかける。寄付金は被災農家のほか、復興支援活動をするNPO法人の支援などに使われる予定。災害時の情報発信では、災害時にアクセスが集中しやすい市のホームページのキャッシュサイトをヤフーのサーバー上に作成し、ダウンを防ぐ。ヤフーサイトでの検索画面にもキャッシュサイトを掲載し、誘導する。またアプリの「Yahoo!防災速報」を通じ、避難所の開設といった緊急情報を流す。
12日に東京都千代田区の都道府県会館で行われたヤフーの社会貢献事業本部長である妹尾正仁氏は「災害支援は社会貢献のひとつ」としたうえで、被災自治体である宇和島市と「様々な形で連携を進めたい」と説明した。宇和島市の岡原文彰市長は「復興に向けスタートラインに立ったところ。ヤフーの支援はありがたく、スタートダッシュをきれるのではないか」と語った。JAえひめ南代表理事組合長・黒田義人氏は、ミカン畑のほか運搬用モノレールといった農業施設も被害を受けたことを説明。そのうえで「エシカル(倫理的)消費として消費・生産両方に意義がある。物品販売以上のものを期待したい」と述べた。
■関連記事「災害時に電力会社サイトコピーし誘導」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/14128
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
入居ビルの耐震性から考える初動対策退避場所への移動を踏まえたマニュアル作成
押入れ産業は、「大地震時の初動マニュアル」を完成させた。リスクの把握からスタートし、現実的かつ実践的な災害対策を模索。ビルの耐震性を踏まえて2つの避難パターンを盛り込んだ。防災備蓄品を整備し、各種訓練を実施。社内説明会を繰り返し開催し、防災意識の向上に取り組むなど着実な進展をみせている。
2025/06/13
-
「保険」の枠を超え災害対応の高度化をけん引
東京海上グループが掲げる「防災・減災ソリューション」を担う事業会社。災害対応のあらゆるフェーズと原因に一気通貫の付加価値を提供するとし、サプライチェーンリスクの可視化など、すでに複数のサービス提供を開始しています。事業スタートの背景、アプローチの特徴や強み、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/06/11
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/06/10
-
その瞬間、あなたは動けますか? 全社を挙げた防災プロジェクトが始動
遠州鉄道株式会社総務部防災担当課長の吉澤弘典は、全社的なAI活用の模索が進む中で、社員の防災意識をより実践的かつ自分ごととして考えさせるための手段として訓練用のAIプロンプトを考案した。その効果は如何に!
2025/06/10
-
-
緊迫のカシミール軍事衝突の背景と核リスク
4月22日にインド北部のカシミール地方で起こったテロ事件を受け、インドは5月7日にパキスタン領内にあるテロリストの施設を攻撃したと発表した。パキスタン軍は報復として、インド軍の複数の軍事施設などを攻撃。双方の軍事行動は拡大した。なぜ、インドとパキスタンは軍事衝突を起こしたのか。核兵器を保有する両国の衝突で懸念されたのは核リスクの高まりだ。両国に詳しい防衛省防衛研究所の主任研究官である栗田真広氏に聞いた。
2025/06/09
-
危険国で事業展開を可能にするリスク管理
世界各国で石油、化学、発電などのプラント建設を手がける東洋エンジニアリング(千葉市美浜区、細井栄治取締役社長)。グローバルに事業を展開する同社では、従業員の安全を最優先に考え、厳格な安全管理体制を整えている。2021年、過去に従業員を失った経験から設置した海外安全対策室を発展的に解消し、危機管理室を設立。ハード、ソフト対策の両面から従業員を守るため、日夜、注力している。
2025/06/06
-
福祉施設の使命を果たすためのBCPを地域ぐるみで展開災害に強い人づくりが社会を変える
栃木県の社会福祉法人パステルは、利用者約430人の安全確保と福祉避難所としての使命、そして災害後も途切れない雇用責任を果たすため、現在BCP改革を本格的に推進している。グループホームや障害者支援施設、障害児通所支援事業所、さらには桑畑・レストラン・工房・農園などといった多機能型事業所を抱え、地域ぐるみで「働く・暮らす・つながる」を支えてきた同法人にとって、BCPは“災害に強い人づくり”を軸にした次の挑戦となっている。
2025/06/06
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/06/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方