2019/03/01
ニュープロダクツ

旭化成ホームズは1日、同社の新築賃貸住宅の防災仕様として「へーベルメゾン・防災パッケージ」を発売したと発表した。専有部や共用部の備蓄スペース確保や家具固定が可能な壁のほか、太陽光発電システムや蓄電池も用意した。
入居者の居住スペースである専有部に備蓄品用のパントリーのほか、転倒の恐れのある家具をまとめて収納するスペースを設置する。感震ユニット付き分電盤や非常灯、飛来物から守る窓シャッターも用意。さらに下地を入れた壁で、ねじ止めプレートによる家具固定もできるようにした。クロスの交換など原状回復に伴う費用負担については今後、賃貸住宅オーナーや施工する旭化成ホームズ、管理会社である旭化成不動産レジデンスで調整を行う方針。共用部のエントランスには懐中電灯や水タンク、簡易トイレのほか、家具固定に使うドリルなども入れた防災備蓄倉庫も設置する。
さらにエネルギー対策の実施も可能。共用部向けに太陽光発電2kWや6.5kWhの蓄電池、エントランスには防災情報が掲示されるサイネージや非常用コンセントも設置できる。
「防災パッケージ」の価格は備蓄スペースなど戸あたりの追加費用が1LDKで約7万5000円、共用部の備蓄が約13万円。エネルギー対策は全体で約230万円。旭化成ホームズでは備蓄仕様導入で家賃を戸あたり月1000円、エネルギー対策も含めたフル仕様だと2000円上乗せすることで元が取れるとみている。フル仕様だと10戸以上が望ましいという。
旭化成ホームズは同社の賃貸住宅の入居者にアンケートを実施。「賃貸住宅でも災害への強さが重要か」との問いに99.6%が「そう思う」「ややそう思う」と回答。賃貸住宅に求められる防災性能については「停電時に電気が使える」84.7%、「保存食・水等の備蓄」57.6%、「部屋の壁への家具固定」47.8%だった。こういった結果を商品開発に反映させた。
■ニュースリリースはこちら
https://www.asahi-kasei.co.jp/file.jsp?id=623837
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
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