2019/03/08
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
きっかけは東日本大震災
ところが、この「広域災害救急医療情報システム(EMIS )」では、分娩可能かどうか、小児の集中治療室(PICU)の空き状況など、小児周産期医療に特化した情報を集めることは、できないのです。2011年の東日本大震災では、人命救助にとって大切な時期に、メールや電話での多くの情報が交錯して、支援活動に混乱をきたしたり、被災地への物資搬送に重複が起こっていました。そのため、EMISとは別に、Web上に日本産科婦人科学会大規模災害対策システムを構築することになったのです。
平成29年(2017年)3月31日 厚生労働省医政局地域医療計画課長通知ではこのように書かれています。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159904.pdf
(7) 災害時小児周産期リエゾン
東日本大震災後の研究や検討で、被災地や周辺地域における情報伝達網の遮断や、 小児・周産期医療に精通した災害医療従事者の不足等を原因として、現状の災害医療体制では小児・周産期医療に関して準備不足であることが指摘された。
また、小児・周産期医療については平時から独自のネットワークが形成されていることが多く、災害時にも既存のネットワークを活用する必要性が指摘された。そのため、災害医療コーディネーターのサポートとして、小児・周産期医療に特化した調整役である「災害時小児周産期リエゾン」を養成することとした。
災害時小児周産期リエゾンは、このようにして誕生しました。
具体的な任務は以下をご覧ください。
情報収集として、搬送ニーズがあればDMATにつなぎ、行政の担当者や学会や支援団体につなぎます。次の任務も注目です。
アレルギー食の手配状況を把握し、周知をはかる。
これ、今まで場当たり的に対応されることもあったのですが、心配されていた部分です。災害時小児周産期リエゾンの方が調整に入ることでだいぶ変わりそうです。
その他、保健活動には、「こどもの遊び場を提供」とあります。大人とは違う、こどもの心のケアも重視されています。
先ほどは大阪北部地震での活躍スライドでしたが、こちらは、西日本豪雨の際の対応です。
避難所での虐待事例にも対応されていますし、情報が届きにくくなってしまう在宅医療児の安否確認など、専門家ならではの細やかな支援をされています。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/08/26
-
-
ゲリラ雷雨の捕捉率9割 民間気象会社の実力
突発的・局地的な大雨、いわゆる「ゲリラ雷雨」は今シーズン、全国で約7万8000 回発生、8月中旬がピーク。民間気象会社のウェザーニューズが7月に発表した中期予想です。同社予報センターは今年も、専任チームを編成してゲリラ雷雨をリアルタイムに観測中。予測精度はいまどこまで来ているのかを聞きました。
2025/08/24
-
スギヨ、顧客の信頼を重視し代替生産せず
2024年1月に発生した能登半島地震により、大きな被害を受けた水産練製品メーカーの株式会社スギヨ(本社:石川県七尾市)。その再建を支えたのは、同社の商品を心から愛する消費者の存在だった。全国に複数の工場があり、多くの商品について代替生産に踏み切る一方、主力商品の1つ「ビタミンちくわ」に関しては「能登で生産している」という顧客の期待を重視し、あえて現地工場の再開を待つという異例の判断を下した。結果として、消費者からの強い支持を受け、ビタミンちくわは過去最高近い売り上げを記録している。一方、BCPでは大規模な地震などが想定されていないなどの課題も明らかになった。同社では今、BCPの立て直しを進めている。
2025/08/24
-
-
-
-
ゲリラ豪雨を30分前に捕捉 万博会場で実証実験
「ゲリラ豪雨」は不確実性の高い気象現象の代表格。これを正確に捕捉しようという試みが現在、大阪・関西万博の会場で行われています。情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、大阪大学、防災科学技術研究所、Preferred Networks、エムティーアイの6者連携による実証実験。予測システムの仕組みと開発の経緯、実証実験の概要を聞きました。
2025/08/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方