ヤフー・西田氏(右)と、今回のプロジェクトを監修した田村氏

ヤフーは7日、一人ひとりに合った防災情報を提案する「Yahoo!防災ダイバーシティプロジェクト」を開始した。特設サイトを設置したほか、9日まで東京都港区の六本木ヒルズで体験イベントを開催。個人のニーズや特性に合わせた防災ブックも作成できる。

サイトと会場では「#犬を飼っている」「#乳幼児」「#母乳で子育て」「#車いすを使う」など143のハッシュタグを用意。選択するとニーズに合った道具やハウツーといった情報が表示されるようになっている。例えば「#犬を飼っている」であれば、災害時にけがをしないためのペット用の靴が紹介される。会場ではパネルとカードが置いてあり、裏面に詳細な情報を掲載。必要なカードを集めてファイルすれば、個人オリジナルの防災ブックとなる。無料で利用できる。

「#経営者」を選択すると必要な物としてBCP(事業継続計画)が出てくる

ヤフーの執行役員SR推進統括本部長の西田修一氏によると、2011年の東日本大震災における同社の検索サービスでおむつなど育児用品は30代が多く調べているといった、属性によって求めている情報が違うことをきっかけに今回の取り組みを実施。「市民の防災意識を高めることをこれまで考えてきたが、備蓄などの取り組みも進み、一歩進めるためにダイバーシティに着目した」と語った。

このプロジェクトを監修する復興庁復興推進参与で一般財団法人ダイバーシティ研究所所長の田村太郎氏は、1995年の阪神・淡路大震災で外国人支援にあたった。2004年の新潟中越地震を経て、2007年にダイバーシティ研究所を設立。東日本大震災でも避難所を回ったが、「多様性への配慮がなされていなかった。災害時も病気の人がおり、もし一人ひとりへの配慮ができないと命にかかわることもある」と個人に合わせた支援の重要性を説明。「今回のようなクリエイティブな取り組みを通じて、災害におけるダイバーシティの重要性を伝えたい」と語った。

■ニュースリリースはこちら
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2019/03/05a/

■特設サイトはこちら
https://bosaidiversity.yahoo.co.jp/

(了)

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