2019/03/29
危機管理の神髄
目に見えないインフラ
アダム・ストーン 『緊急事態管理マガジン』
国連によれば、都会の住民の10人に9人は災害死の危険性が非常に高い。そして過去50年間に都市、中でも巨大都市の人口は爆発的に増加した。
1950年には人口1000万人以上の巨大都市は2つであった。2017年にはニューヨークを含む22都市である。ニューヨークは巨大都市であるだけではない。途方もない財と強大な力を持つ第一の巨大都市である。問題は、大きな力の裏側には大きな脆弱性があることである。
ニューヨーカーは、人工の、自然の、テクノロジーの、そしてテロから気候変動に至るまでのずらりと並んだハザードとともに生活し仕事をしている。すべての巨大都市と同様に脅威に満ちた環境である。
ニューヨーク市民の850万人は、480キロ平方メートルの土地にぎっしりと詰められている。海抜はわずか8メートル、地形は複雑であり、大地は乾燥している。3つの島と半島は、あごひげのように薄い橋とトンネルと乗客数の記録を塗り替え続けている老朽化した大量輸送システムで繋がれている。
巨大都市はどこも同じであるが、電気・食物・燃料・水・データ・輸送・金・ヘルスケアという生きるための資源を必要とする。そのために極めて重要なインフラが生まれた。
この重要なインフラは互いに結ばれて、複雑に込み入ったクモの巣(ウェッブ)ーシステムのシステムーであり、膨大なコンピューターの力と、複雑な数学を使うアルゴリズムが過剰に供給されている。これらのアルゴリズムは人工知能(AI)を創造する。機械学習とも呼ばれるようにAIは我々の重要なインフラをスマートにする。スマートシステムは現状を分析し、将来を予測するのにビッグデータを使用する。自分で自分を修理もできる。しかし明るいコントロールパネルの下には暗いマイナス面が潜んでいる。いかにスマートなシステムであろうと故障すれば単なるガラクタだ。
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