2019/03/29
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
家具固定理解の大家も
アンケートではさらに、賃貸住宅に求められる防災性能が質問されました。すると、
停電時に電気が使えることや備蓄に加えて、部屋の壁への家具の固定は堂々3位に入っているのです。3位ですよ! 今まで、賃貸だから仕方がないのかもしれないと諦めてきたけれど、でも、それで本当にいいんだろうか? 命を守りたいのに守れない現状に対する不満がここに現れていると思います。
また、災害に対する強さがお部屋選びの決定要因の一つになったかという質問に対し、そう思う、ややそう思う合わせて77.8%ありました。「防災性が高いことで入居の決め手になると思います」という実際に入居された方の声は切実です。
この質問項目は3の質問で「ある・ややある」に回答された方が対象になっています。3の質問というのがこちら。
へーベルメゾンは、一般の建物に比べて災害に強いイメージがあると答えた方が73.2%という結果になっています。これまで災害対策をされてきたので、たとえ、絵的には派手ではなくても<家の使命は住んでいる人の命と暮らしを守ること>だから、必ず実施しなければ、そう担当者の方が強く願い、この防災パッケージが実現したというのも分かります。
今回改めて私がつくづく思ったのは、「防災は本当に地味なんだ!」ということです。「そこ?」って思われそうですが、実はこれは重要なことかもしれないって思います。あたりまえだから地味なんです。でも、そのあたりまえが守られなくなることが災害なのです。
民間賃貸物件で大々的に防災が提案されなかったり、提案されてもあまり報道されないのはこの地味さが原因かもしれません。それだけではなく、大家さんに覚悟も伴います。傷ひとつないのが美しいとされる価値観の中で、家具の転倒防止でできる壁の傷の原状回復を求めないというのは、大家さんにとってハードルが高いですよね。
でもうれしいことに、このコンセプトに共感してくださり、そこに住む人の命と暮らしが守られる賃貸物件を選択される大家さんも増えているのだそうです。地味だけど、あたりまえを守るために取り組もうとする方が着実に増えているのが希望です。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/09/16
-
-
ラストワンマイル問題をドローンで解決へBCPの開拓領域に挑む
2025年4月、全国の医療・福祉施設を中心に給食サービスを展開する富士産業株式会社(東京都港区)が、被災地における「ラストワンマイル問題」の解消に向けドローン活用の取り組みを始めた。「食事」は生命活動のインフラであり、非常時においてはより一層重要性が高まる。
2025/09/15
-
-
機能する災害対応の仕組みと態勢を人中心に探究
防災・BCP教育やコンサルティングを行うベンチャー企業のYTCらぼ。NTTグループで企業の災害対応リーダーの育成に携わってきた藤田幸憲氏が独立、起業しました。人と組織をゆるやかにつなげ、互いの情報や知見を共有しながら、いざというとき機能する災害対応態勢を探究する同社の理念、目指すゴールイメージを聞きました。
2025/09/14
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/09/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方