大船渡報告(その2)・・吉浜の高所移転【東日本大震災】(5月21日のFBより)
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
2016/05/21
室﨑先生のふぇいすぶっく
室﨑 益輝
神戸大学名誉教授、ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長、兵庫県立大学防災教育研究センター長、ひょうごボランタリープラザ所長、海外災害援助市民センター副代表
大船渡報告(その2)・・吉浜の高所移転
私の不明を恥じなければなりません。今回の大船渡訪問で、昭和の三陸大津波後に、ほとんどすべての集落で高所移転(高台移転ではありません)がはかられていることを、目の当たりにしました。
唐丹の本郷や三陸の吉浜だけではなく、三陸の綾里や碁石の細浦などでも高所移転が行われており、それが今回の津波から生命や財産を守る結果を生んでいました。「高台移転に異を唱えてきた者」として、改めて襟を正す必要を感じました。
唐丹の本郷には何度も足を運んでいたのですが、三陸の吉浜は初めての訪問でした。自然に溶け込んだ吉浜集落の景観と暮らしは、先人の知恵の素晴らしさを感じさせてくれました。ある種の反省と感動をもって、吉浜の高所移転を受け止めました。
広がりをもってなだらかに傾斜する地形、漁業だけでなく農業を営むという産業構造、しっかりしたコミュニティの存在などが、安全性と利便性を融合した「高所移転」を可能にした、と考えられます。
自然の地形を読み込んで津波の直撃を避けるように住宅を配置する、100メートルほど登らないといけないのですが海との密接な関係を保持する、低地を農地にするなど跡地を有効に使うことに成功しているなど、高所移転をいかにすべきかのヒントがたくさんありました。
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