2016/06/28
独自調査

情報システムを中断・停止させるリスクで心配なのは何か?
組織の主要な情報システムを中断・停止させるリスクとして、災害や事故の事象ごとに、どの程度心配をしているか聞いたところ、地震については、「かなり心配している」(76.4%)と「少し心配している」(19.7%)を足した数が96.1%と、すべての事象中、最多となった。
「かなり心配している」「少し心配している」を足した数で2番目に多かったのが「通信・ネットワーク障害」(93%)、3番目が「従業員の不祥事による情報漏えい」(92.3%)、次いで「自社システムの障害」(90.7%)の順。
「かなり心配している」だけに絞っても、「地震」は突出して高く、次いで「サイバー攻撃」(54.6%)、「通信・ネットワーク障害」(54.2%)、「自社システムの障害」(51.3%)と続く。
自由意見として「近年、サイバー攻撃などによる脅威が急激に増加している」「地震など突発的な災害はやはり影響が心配」「経営者にサイバーのリスクを理解してもらえない」「顧客とVPN接続しているため、重要データにアクセスされる危険がある」「安易なSNS利用が大きな被害につながる」「ブランドイメージが損なわれる」などの意見も寄せられた。
過去3年で発生した情報システムの中断・停止の要因は何か?
過去3年程度の間で、予期せぬ情報システムの中断・停止を招いた事象があれば、その原因は何か?との問いに対しては、59.8%の回答者が「中断・停止はしていない」と回答した一方で、「自社システムの障害」(21.8%)、「通信・ネットワーク障害」(19.2%)、「従業員や外部スタッフのオペレーションミス」(8.3%)、「外部のシステム障害」(7.4%)などを挙げた人もいた。「その他」では「工場改築時のケーブル誤切断」「落雷による停電」があった。
また、これらのトラブルにより停止した時間についても尋ねたところ、「1時間~12時間未満」が46.1%で最多で、次いで「12時間~24時間未満」(18.3%)、「1時間未満」(14.8%)、「24時間以上」(8.7%)の順となった。
自由回答では、外部のシステム障害によりITシステムが中断したという回答者から、「システム業者に任せきっていた弱さが出た」「通信サービス会社の機器の故障でバックアップが取られておらず100名規模の事業所の業務が滞った」とのコメントが、停電により中断したとの回答者からは「バックアップシステムがうまく立ち上がらずにダウンした」「軽油燃料が調達できなかった」とのコメントが寄せられた。
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