花子さんより怖いアレ

それでは、「ノロわれた部屋」あんどうりすバージョンからご紹介します。

これを最初に私が紹介したのは、東京消防庁主催のイベントです。毎年定員70名を超える親子の参加がある防災イベントで、今年は夏らしく「ぼうさい縁日」「ぼうさい夏祭り」として開催されました。チラシはこちら。

親子で集まる子どもたちに、わたくし、あんどうりすは、ちょっと声のトーンを落として、静かに話かけます。

りす「今からみなさんに ノロわれた部屋のお話をします」

そうすると、子どもたちは息を飲んだり、中には、ママが気をつかってこどもの耳を塞いだりする反応がかえってきます。急に子どもにトラウマを与えるような話はしてほしくないですよね。「わかる! その親心!」と思いつつ、しれっと話を続けます。

りす「そのノロわれた部屋というのは、トイレです」

と言うと、子どもたち、かわいい反応をしてくれるんです。

子ども「わかったー!花子さん!」

「見たことあるんかい?」って思わずツッコミたくなりますが、世代を越えて語り継がれる花子さんの伝承力ってすごいですよね。防災教育も、もっと花子さんを見習わなくてはと思うくらい!

そこで、私は笑いたくなるのをこらえてゆっくり首を振り、

りす「花子さんではありません」と答えます。

りす「実はここに、ノロわれたトイレの正体が書いてあります」。
と言って、白い紙を見せます。(このときはA4の紙)

りす「何人か前にでてきてもらっていいかな。このペンのボタンを押してライトをあてると正体がわかります」。

さて、ここで勘のいい方はもう気づいたかも。このライトつきペンは、ブラックライトがついたペンです。ブラックライトとは紫外線を出す照明です。ペンとセットになったものを使用しました。

(写真提供:あんどうりす)

これを見せると子どもたちは、「知ってるー!」「使ったことあるー!」という声があがります。水族館や博物館の入場スタンプに使われていたり、100円ショップでもスパイペンとかマジックペンとして販売されているので、子どもにはメジャーなものです。

集まってもらった子どもたちにブラックライトペンをあててもらうと、真っ白な紙なのに、文字が浮かび上がります。そこには、世にも恐ろしいノロいの物質が書かれているのです。

その物質とは…

(写真提供:あんどうりす)

りす「ノロウイルス!!!」

子どもたち「キャー」

恐怖ではなく、喜びの? 歓声があがります。そして、この時「ダジャレかい…」というちょっと冷めた目配せを送る保護者と目が合ってしまったりします(笑)。