熊本地震で転倒した家具

地震対策のキモは、何と言っても建造物の耐震化と、家具の固定。でも、家具の固定をしている人は増えてきたとはいえ、まだ3割程度。みなさんは、固定できていますか?

内閣府の防災に関する世論調査によると、家具や家電などの転倒落下防止策ができていない理由の1位、2位は、「やろうと思っているが先延ばしにしてしまうから」「面倒だから」・・・。

「平成26年防災に関する世論調査」(内閣府)より筆者作成
http://survey.gov-online.go.jp/h25/h25-bousai/zh/z09.html

ああ・・。これは防災に限らない日々の暮らしにひそむ「あるある」ですね。その気持ちはすごくよくわかります(汗)。

ただ、今回は、10.9%になっている「家具や壁に傷をつけるから」と、3.8%の「部屋の見た目が悪くなるから」に焦点をあてたいと思います。

内閣府の調査では、2項目に分かれていますが、この2つは同じ根源を持つ問題だと思っています。そこに触れることなしに転倒防止の実施率はあがらないのでは?と思います。

その根源とは、賃借人の原状回復義務です。

これを説明する前に、よくある防災の本を見ていただきたいと思います。ここでは、人気の東京防災に登場してもらいます。東京防災によると家具の固定は、「ネジ止めが基本」「最も確実な方法は、壁にL字金具で固定することです」とあります。

出典:「東京防災」(東京都)P96より
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2015/08/DATA/20p7o408.pdf

ネジ止めですと、効果もあるし、L字金具は1本100円もしません。とてもリーズナブルな転倒防止グッズです。

しかし、各地には条例で、賃借人の原状回復義務が規定されています。東京都ですと、「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例 平成16年3月31日公布 10月1日施行」があります。

これをわかりやすくまとめたものが、東京都都市整備局が作成した「賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」です。(以下、ガイドライン)

出典:賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(東京都市整備局)より
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-4-jyuutaku.htm

このガイドラインに基づき、賃借人が賃貸借契約をする際には、住宅の損耗やキズを復旧する原状回復義務項目を確認して、サインすることが通常です。

具体例もガイドラインに示されています。画鋲やピンの穴程度で下地ボードを変えないのであれば、通常磨耗として、貸主負担です。

出典:賃貸住宅紛争防止条例&賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(東京都市整備局)より
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-4-jyuutaku.htm

でも、くぎ穴、ネジ穴(下地ボードの張替えが必要な程度)は通常磨耗を超えるので、借主負担になります。

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