2016/09/26
事例から学ぶ
SCREENグループは、国内ではいち早くEHSの取り組みをスタートさせ、現在グループ全体で環境と労働安全、
さらには防災・事業継続を一体的に推進している。理由は海外のメイン顧客である半導体メーカーからの国際標準
に準拠したさまざまな活動の要求だった。
SCREENグループは、2014年10月に大日本スクリーン製造株式会社(京都市)が持ち株会社体制に移行したことに伴い、SCREENホールディングスと3事業会社・2機能会社、子会社で構成する。連結子会社は国内26社に対し海外は24社で、現在、連携での従業員数は約5000人。売上ベースでは約7割が欧米・アジアが占める。
グループの全体の総務・人事や経理などいわゆるシェアードサービス業務を展開するSCREENビジネスサポートソリューションズ(以下BS)環境安全健康部部長の西原敏明氏は「EHSの取り組みも特に欧米資本の顧客の影響が大きかった」と説明する。
国際基準に準拠した体制構築
国際基準に準拠した体制構築への配慮、労働安全衛生は企業理念の柱になっていた。京都議定書の発効を受け1995年からは社内に環境管理室を新設し、全社的に環境の取り組みを強化するとともに、労働安全衛生についても総務人事部門が中心となり、労働災害事故の軽減に向けさまざまな活動を展開してきた。
これらの活動に拍車をかけたのが海外顧客からの高い要求だった。同社の取引顧客は海外に多い。特に欧米資本の半導体メーカーは、品質の高い製品を要求するだけでなく、サプライチェーンとして、環境への配慮や労働安全衛生への配慮、さらには大規模災害時における事業継続のあり方について、国際標準に準拠した体制の構築を求めてきた。そのため、同社では90年代前半から各工場単位で品質
マネジメントシステムISO9001の認証を取得し、97年からは事業所単位で環境マネジメントシステムISO14001、さらに2000年には全社を対象に労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS、2010年にはエネルギーマネジメントシステムISO50001の認証を取得した。
一方、その管理には多大な労力が必要とされた。
マネジメントシステムを回していくためには、内部監査や外部審査、さらにはマネジメントレビューと呼ばれる経営層による運営管理活動も行う必要がある。これらを、年に2回~3回は行わなくてはいけない。さらに、品質管理については工場単位で、環境管理は事業所単位で、労働やエネルギーの管理は全社単位で、といった具合に、何度も別の監査が入るため、現場が疲弊しかねない状況だった。
費用的にも馬鹿にならず、マネジメントシステムを維持するだけで年間約1300万円を投じていたという。こうしたことから、2009年からEHSを構築するための中・長期計画(グリーンバリュー計画)を定め、EHS体制への移行について準備を開始。さらに事業所ごとに任せていた防災や事業継続についても、東日本大震災を受け、全社一体的に管理・推進していくことを目指して、2014年3月から事業会社に関しては、環境マネジメントシステムISO14001、労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS、エネルギーマネジメントシステムISO50001、事業継続マネジメントシステムISO22301の4つのマネジメントシステムを統合的に運用する「防災EHS体制」を構築した(品質マネジメントシステムについては事業会社ごとに運用)。「これにより、マネジメントシステムの運用費は平均して年間600万~700万に減り、運用に割かれる手間や時間も軽減させることに成功した」と西原氏はその効果を強調する。
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