特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の概要【実務編】
公正取引委員会による勧告の実例
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2025/07/24
弁護士による法制度解説
山村 弘一
弁護士・公認不正検査士/東京弘和法律事務所。一般企業法務、債権回収、労働法務、スポーツ法務等を取り扱っている。また、内部公益通報の外部窓口も担っている。
2023年4月に成立した「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下「フリーランス新法」)が、2024年11月1日から施行されました。このフリーランス新法については、これまでに4回に渡って取り上げてご説明しました。
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の概要【前編】
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の概要【後編】
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の概要【番外編➊】
特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス新法)の概要【番外編➋】
フリーランス新法は、現在、施行から半年を超えましたが、先月(2025年6月)、3つの事案(以下「3事案」)において、公正取引委員会より「業務委託事業者」「特定業務委託事業者」たる発注事業者3社に対して、それぞれ勧告が発せられました。
同時に、公正取引委員会からは、勧告の名宛人となった3社の実名(株式会社小学館、株式会社光文社、島村楽器株式会社)が明らかにされた上で、違反事実の概要、勧告の概要等がそれぞれ公表されています。
フリーランス新法における主たる規制は、「特定受託事業者に係る取引の適正化」(第2章)と「特定受託業務従事者の就業環境の整備」(第3章)の2つに大別することができ、前者は独占禁止法・下請法といった経済法のような性格を持ち、後者は労働基準法といった労働法のような性格を持っているということができます。
このような性格のため、同法の所管省庁は、公正取引委員会・中小企業庁(第2章部分)と厚生労働省(第3章部分)となっています。
今回は「特定受託事業者に係る取引の適正化」(第2章)に関する事案につき、公正取引委員会より勧告が発せられたということになります。3事案やその勧告(以下「3勧告」)の概要を知ることは、今後の実務の参考になるといえますので、取り上げてみたいと思います。
3条1項本文では「業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面又は電磁的方法(略)により特定受託事業者に対し明示しなければならない」とされ、取引条件明示義務が定められています。
同条につき、公正取引委員会規則1条1項により定められている明示事項の概要は、以下のとおりです。
3事案のいずれにおいても、「業務委託をした際に、直ちに、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項(略)を、書面又は電磁的方法により当該事業者に対し明示しなかった」(公正取引委員会による公表資料)として、取引条件明示義務違反が認められています。
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