2019/10/10
昆正和のBCP研究室
■主要な活動機能
以下は緊急対策本部の主な活動内容をまとめたものである(これらがすべてというわけではない)。
(1) 情報収集:対策本部の運営に不可欠な情報としては、周囲の状況(公共交通機関やライフライン等)、社員の安否、社内の被災状況、顧客や取引先の状況、主要業務への影響などがある。
(2)情報発信:顧客・取引先への自社の被災・復旧情報の通知、クライシスコミュニケーション。
(3) 物資調達:主に被災した事業資産の修復や買い替えの手配(建物や設備、什器など)、スタッフの食料調達などに関する指示やアドバイス。
(4)復旧活動:所属部署の後片づけや書類の整理、被災で未処理になっている作業の指示・命令・進捗状況の確認。
(5) 復旧予算と経費管理:被災資産の修復や買い替え、臨時スタッフの雇用、宿泊費や食事代など、事業継続や復旧に関わる資金の融通や経費の管理。
(6) 組織内の調整:対策本部内の指揮命令や報告、要請、複数の部門間の調整など(いわゆるコーディネーター)。
(7)人員管理:総務・人事の役割。大災害では復旧活動に当たる要員の心身面のケアも必要になるため、事前に外部の専門家からアドバイスを受けておくことも重要。
(了)
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