2019/10/11
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
ANPYで個別停電把握
しかし、これについては以下のシステムが導入されていたら防げた可能性があります。そのシステムとはこちら、ANPY(アンピー)です。これは、個別の停電を感知するシステムです。

難しいシステムではありません。ただ、この機材をコンセントに差し込むだけ。

たったこれだけで、コンセントから電気が通っているかを常にANPYがチェックします。そして、停電が起こると、通報します。
どこに通報するかというと、ANPYを開発した北良株式会社です。同社については、先週も以下の記事でご紹介しました。
■バイフューエル車で在宅患者支援
https://www.risktaisaku.com/articles/-/20302
先週もお伝えしましたが、同社は、酸素ボンベを在宅の患者さん宅に運んでいます。東日本大震災が起こった際、停電が起こりました。医療機器が停止すると患者さんの命に関わります。ところが震災時、停電情報は「○○市○千戸停電」のように大まかなもので、自宅や施設ごとに個別の停電をすぐには把握できませんでした。また、停電した地区がわかったとしても、患者さんが広域搬送されてしまうと、安否が確認できない状態が続きます。実際に東日本大震災時、長い人では約5日間、患者さんの安否がわからない状態が続きました。
そこで震災後、2014年に開発されたのがANPYです。ANPYは、コンセントに差し込むだけで通電を常時チェックしています。コンセントでチェックしているので、隠れ停電といわれる引き込み線や低圧線で障害が起きた場合でも、関係ありません。各家庭に電気がきているかどうか、それをピンポイントで把握できます。
そして、停電が起こるとクラウドを通じ、同社のスタッフや家族などの関係者に停電情報が送信されます。
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
中澤・木村が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/07/01
-
-
-
「ビジネスイネーブラー」へ進化するセキュリティ組織
昨年、累計出品数が40億を突破し、流通取引総額が1兆円を超えたフリマアプリ「メルカリ」。オンラインサービス上では日々膨大な数の取引が行われています。顧客の利便性や従業員の生産性を落とさず、安全と信頼を高めるセキュリティ戦略について、執行役員CISOの市原尚久氏に聞きました。
2025/06/29
-
-
-
柔軟性と合理性で守る職場ハイブリッド勤務時代の“リアル”な改善
比較サイトの先駆けである「価格.com」やユーザー評価を重視した飲食店検索サイトの「食べログ」を運営し、現在は20を超えるサービスを提供するカカクコム(東京都渋谷区、村上敦浩代表取締役社長)。同社は新型コロナウイルス流行による出社率の低下をきっかけに、発災時に機能する防災体制に向けて改善に取り組んだ。誰が出社しているかわからない状況に対応するため、柔軟な組織づくりやマルチタスク化によるリスク分散など効果を重視した防災対策を進めている。
2025/06/20
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方